『「生成AI+旅」の牽引役、インスタ旅予約のLaylaが4.7億円調達。今後のAIサービスは専門特化と外部連携がトレンドに』~【web3&AI-テックビジネスのアイディアのタネ】2024.1.6
「先進テックで未来の生活はもっと良くなる!」と信じて、Web3・AI・ガジェットなどのデイリーニュースから毎日ひとつピックアップしてご紹介しています。
新規ビジネスのアイディアのタネがほしい方、未来を想像してワクワクしたい方、読んでちょっといいなと思った方、ぜひフォロー・高評価よろしくお願いします!
■「生成AI+旅」の牽引役、インスタ旅予約のLaylaが4.7億円調達——著名OTA創業者やパリス・ヒルトン氏から
インスタで旅先の美麗な写真を見ていると、そこに行ってみたくなります。しかし、実際に旅行に行くためのフライトや宿の手配をするのは手間がかかります。
インスタでいいな!と思った後、熱が冷めやらないうちにAIが旅の手配をしてくれるというサービス「Layla」が開発中、関連する旅行サービスたちから4.7億円の調達をしたと発表されました。
何でもできるChatGPTより、旅行AIと専門特化した方が使い道がはっきりするぶん、多くの人にとってわかりやすくなります。このような専門特化型AIが今後増えるのは間違いありません。
また、「Layla」はインスタに投稿されている旅先の写真や動画を引っ張ってきて表示するほか、旅行プランは提携先であるBooking.com、Skyscanner、ヒルトンホテル、Airbnbから提案される仕組みです。このようにAI単体ではなく外部サービスと連携して動作するAIが今後のトレンドになるでしょう。
インスタは今や検索エンジン
たとえば飲食店を探すとき、Google検索や食べログなどの飲食店検索専門サービスを使うのではなく、インスタで探すという人が増えています。
若者の約40%と上記では触れられていますが、インスタで店探しするのはもっと年齢層が上の人たちにも広がりつつあります。
インスタはX(旧Twitter)よりも利用者の世代幅が広く、たとえば40代女性はXの使用率28.8%なのに対し、インスタは48.3%、50代女性でもXの23.9%に対し、インスタは38.2%と、上の年代でも幅広く利用されています。男性でも同じ傾向が見られます。
インスタを見ていると旅行に行きたくなる、映えるゴハンを食べに行きたくなると動機付けされることもしばしばあります。対してChatGPTで旅に行きたくなる動機付け体験はなかなか得られません。
動機付けに強いインスタと連携するAIはとても合理的です。
「Layla」は食べログと同じ別サービスなのが弱点
インスタの中で動機付けされたら、そのままインスタの中で予約ができれば完璧です。しかし「Layla」ではそれができません。
「Layla」は今のところ独立した別サービス(+2600万人以上のフォロワーを誇るインスタのLayla公式アカウント)で利用するものです。
インスタでLaylaに話しかける、とありますが、インスタの中でLaylaというチャットボットを動かすことはできません。
実際には「Layla」アプリで「イタリアのビーチ」とチャットボットに話しかけると、インスタのAPIを通じて「イタリアのビーチ」の写真や動画を引っ張ってきて表示する仕組みでしょう。
表示されたインスタの「イタリアのビーチ」の写真や動画から、イタリアのどこなのかを特定して、提携先のBooking.comなどから写真や動画の場所に行けるプランを提案し、予約を受け付けるアフィリエイト的なサービスなのだろうと想像できます。
「旅行プランをチャット型で検索できる別アプリ」だと、インスタにシェアを奪われた「食べログ」と立ち位置が同じになってしまいます。
また、インスタはAI研究に熱心なメタ社が運営しているわけですから、メタ社が自社AIを使い、かつBooking.comと提携してしまえば、インスタ内で動機付け~直接予約が完結するというベストな導線設計が実現できます。
今後のAIサービスは専門特化と外部サービス連携がトレンドに
インスタを組み合わせたAIサービスというのは言葉の綾で、食べログと同じく「インスタが敵」という弱点を抱えており、メタ社がインスタ内で同じ機能を提供したら負けるというのがウィークポイントではあります。
しかしAIに専門性を持たせ、外部サービスを連携させて実用性を高めるのは今後のAIサービスの作り方のトレンドになるでしょう。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?