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『ライトニング決済で手数料をクレカの1000分の1に。これが正しいWeb3の使い方』~【新しいweb3ビジネスのアイディアのタネ】2023.4.25

■ビットコインのライトニングネットワーク、マスターカードやVisaを圧倒する低手数料を実現

ライトニングネットワークを介して価値を送る際の手数料率の中央値は0.0029%であり、これはマスターカードやVisaといった決済処理事業者よりも1,000倍安くなっている。

2~3%が0.0029%に。数字で示されると非常に分かりやすいですね。

「圧倒的な手数料の低減と即時着金」は暗号資産決済の非中央集権化・分散化(P2P化)のメリットであり、現状の社会課題をブロックチェーンだから解決できるという例です。

最終営業利益率が数%という街中のお店にとってキャッシュレス決済導入の手数料負担は非常に重く、だから未だに現金決済のみとしている店舗も多く残っています。加えて手数料だけでなく入金が遅いというのもキャッシュレス化できない大きな要因です。


ビットコインで支払えることのメリットとデメリット

日本国内の企業やサービスはライトニング決済に対応することで、以下のようなベネフィットを得られます。

・クレジットカードと比較した時の決済コストの削減と支払いサイクルの短縮
・企業間の国際送金のコストとスピードの改善
・外国人観光客向けの決済サービスの提供によるインバウンド需要獲得
・世界中のビットコイン保有者への自社サービスやコンテンツの訴求

以前ご紹介したDH Payでは上記の4つのメリットを挙げています。

かたやデメリットは

・ビットコインの値動きの激しさ
・暗号資産を取り扱う難しさ
・会計、税務申告の難しさ
・現時点でのユーザーの少なさ

が挙げられます。

同じくDH Payでは

また、将来的に事業者向けにビットコイン価格を裏で自動的にヘッジする機能の提供や、ライトニング上で発行されたステーブルコインでの決済対応なども検討しており、日本の規制や事業者からのニーズ、ユーザーの利用実態に即したライトニング決済サービスとしてDH Payを改善していきます。

と、まずはビットコインの値動きの激しさを解消するための対策を打とうとしています。

また「ライトニング上で発行されたステーブルコイン」とあるように、ビットコイン以外の、法定通貨にペッグされた暗号資産を扱えるようにすることで多くの店舗や事業者で扱いやすくすることを目指すようです。

政府発行のCBDCが普及すれば、クレジットカード会社が仲介しなくてもP2Pで低手数料・即着金の決済ができるようになるはずです。


開発途上国や政情不安定な国ではより切実

歴史上、敗戦国の通貨価値は大きく下落する傾向に
貨幣においても旧通貨のソビエト・ルーブルからロシアルーブルへと移行するなかで、通貨価値の大幅な下落が発生しました。

欧米や日本とは大きく異なり、金融インフラや社会インフラが十分整備されていないアフリカ諸国では、銀行口座さえも持てない人口(Unbanked)が多く存在し、海外企業と貿易取引を行う零細・中小企業がドル決済を安く自由に行うことができない状況が続いている。これらの大きな社会課題を解決しようと、ナイジェリアや南アフリカ、ケニアを中心に、ブロックチェーンをフル活用したスタートアップが次から次へと誕生している。

日本では暗号資産決済はおろかキャッシュレス決済すら進みませんが、法定通貨の信用が低い開発途上国や政情不安定な国ではむしろ暗号資産の方が安定していると見なす人も多いのが実情です。

 リープフロッグとは、途上国や新興国で新しいデジタル技術が一気に普及することを指す。
(中略)
 リープフロッグを実現した国は、いずれも先進国では当たり前の技術やインフラなどが未整備だったり、貧弱だったりする。このため既存の技術と新しい技術との「摩擦」が起こらず、事業者も利用者も新しい技術を抵抗なく受け入れることができるという。

法定通貨の信用が低いことに加えて、スマホ普及で暗号資産も扱える状況にあることから、特に14億人もの人口を抱えるアフリカではいわゆる先進国より先に暗号資産決済市場が出来上がる可能性もあります。

暗号資産決済の圧倒的な低手数料でビジネス全体が一気に成長すれば世界の景気を牽引する主役になるというシナリオです。

アフリカなどでは実需があるから暗号資産が分かりやすく普及します。長期的には国力に連動して価値を失いそうな日本円も、短期的には「日本円でいいじゃん」と思われてしまう現状では暗号資産の可能性に目を向けづらいのが現状。


ブロックチェーンでしかできないこと

・顧客を優先する
・技術的な洗練だけではなく、顧客価値のために最適化する

プロセスだけでなく、インパクトにフォーカスする

実需がないブロックチェーンの使い方、既にあるサービスに無理やりブロックチェーンを絡ませた結果UXが悪くなるサービスが日本では多すぎると感じます。

NFTにしました。ゼロ知識証明を使いました。
やれることは今までと同じです。でも技術的にWeb3です。
今までと同じサービスを、遅く・手数料がかかり・難解にしました。

これじゃあ流行るわけがありません。

ライトニングネットワーク決済で手数料を1000分の1に、翌月入金を即時入金に。

これが顧客志向でインパクトにフォーカスした正しいWeb3技術の使い方です。

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