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【徒然和菓子譚】その14

今日は友白髪のお話です。

夫婦そろって白髪になるほどの長寿を祈っての婚礼の縁起物です。あるいは実際に長寿となった夫婦の祝い菓子にも使われます。白と赤の糸状の餡を乗せた餅、または求肥を対で並べるため、そのまま長寿の夫婦を連想させますが、実は「友白髪」とは白の方だけで紅は猩々(しょうじょう)をあらわすという説もあります。猩々とは中国に古くから伝わる伝説上の獣の名で、体は紅色の長い毛で覆われ、顔は人、声は子供の泣き声に似ており、酒を好むといわれています。まさに珍獣ですが、実は福をもたらすおめでたい生き物と言われています。

私は猩々というともののけ姫が真っ先に頭に浮かんできます。もののけ姫にでてくる猩々はおそらくオランウータンの和名で使われているのではないかと思います。

さて、今回で菓子の文化のお話はおしまいです。次回からはもう少し話を加賀・金沢にしぼってお伝えしていきたいと思います。ここまでお読みいただきありがとうございました。

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