ここが辛いよSIerシリーズ 残業時間編
SE(システムエンジニア)の仕事をされている方の大半がSIerと呼ばれる業態に属性いるかと思います。
かく言う私もSIerの企業に属しています。
ちなみに私の今後のキャリアについて書いた記事もありますので、よかったら見てみてください。※2019/1/3時点で有料記事となっています。
新卒から10年間SIerとして働いてきた中で、SIerとして辛い場面を何度も経験してきました。。
そんな経験を包み隠さずお話し、現在SIerで働いている人や、今後SIerで働いていこうと言う人たちの参考になればいいなと思います。
書きたいトピックはいっぱいあるのでシリーズ化しようと思います。
今回は「残業時間」について
1.波があるのは確か。問題は大きさだ
採用の場面とかでよく人事の人が「残業時間はプロジェクトによって波がありますが、平均して20〜30時間くらいです。」って良く言ってくると思います。
これのからくりとしてまずあげられるは、多くのSIer企業には「エンジニア」「非エンジニア」の2種類の職種の人たちが属しています。
非エンジニアとは、役員だったりバックオフィス、すなわち事務系の人たちのことを指します。
平均して、と言う部分にはこの非エンジニアの人たちも含んでいるため、純粋なエンジニアだけの統計ではない、と言うカラクリがあります。
で、もう一つが「プロジェクトによって波がある」と言う部分ですが、こちらに関しては、本当にその通りです。
ここで気をつけて欲しいのが「プロジェクトによる」、つまり残業時間はランダムに決まる可能性がある と言うことです。
期間や人員も余裕を持ったプロジェクトで、お客さんも協力的であれば概ね波は穏やかかと思います。(具体的には残業時間月10〜30程度)
ただ、これが人員も確保できない状態なのに期間が無茶苦茶だったり、蓋を開けてみたら難易度が無茶苦茶高かったりなど、いろんな負の要素によってプロジェクトは一気に残業製造マシーンとなります。
こうなってしまうと毎日終電間近だったり、土日出勤当たり前、みたいな働き方になってしまうこともあります。
そうなってしまうと月70〜100時間超えなどという過労死ラインを超えた働き方を強いられるようなビッグウェーブがくる時もあります。
また、SIerで請負型で仕事を受注しているところで多いのが、案件を取りすぎて一人に複数案件対応させる企業もあります。
それによって一つ一つの案件自体はさほど大したことないのですが、複数抱えることによって、てんてこ舞いになって残業がかさむこともあります。
そんなわけで、基本SIerで仕事をする以上、ビッグウェーブ級の波がくる可能性はある ということを念頭に置く必要があるわけです。
2.組織は思ったほど助けてはくれない
まぁ昨今働き方改革なるものが謳われているので、会社にもよるのかもしれないですが、多くのSIer企業はこのような状態を「仕方ないね」として捉えているところがあります。
普通であれば、上司や営業などがそういったところを調整するのですが、多くのSIer企業は基本的には人が足りていません。
なので、対処を打とうにも打てないことがほとんどで、特に私が今いる会社は結局のところ「根性論」で片付けられることが多かったです。
タスクが多すぎて上司に相談するも、結局その場しのぎの対策しかされず残業が減ることはありませんでした。
残業時間が多いと言うことは、上司は認識していても手が打てないことが多いので、あまり周りがなんとかしてくれる、と言うことに期待はもてないと思います。
ただし、長時間残業が続くと当然のごとく体調に影響を及ぼしてきます。
そのような場合は流石に対処をしてくれる(はず)なので、そのような状態になった際には早めに、無理をせず、上司に打ち明けてください。
上司の立場からすれば、長時間残業によって長期離脱や退職されることの方がリスクにもなるし、上司の評価にも響くので何らかの対処をしてくれる(はずです)。
3.残業時間の分、確かに成長はする
残業の末、何も得られなかったら悲しいですよね。。
多くの場合は仕事の全体像が一気に把握できたり、プロジェクトの「ここは抑えておかなきゃ」って部分の勘所がわかってきたりなど、成長することは多いです。
私もこの1年アホほど残業したのですが、その分マネジメントや担当プロダクトの知識も普通の1年以上に身についたと思います。
4.タフな人しか生き残れない?
ここまで長時間残業について書いてきましたが、中にはこれだけの長時間残業でも体力的にもメンタル的にもへこたれないタフな方もいます。
そういう人はガシガシ残業して、スキルアップする人もいるのは事実です。
ですが、私自身もそうなのですが、長時間残業となると結構体やメンタルに支障をきたしてきて、パフォーマンスが落ちてきたりします。
結局タフな人しか生きていけないのか?
明確な答えはありませんが、結局はコミュニケーションだと思います。
チーム内や上司、はたまたお客さんとのコミュニケーションで、プロジェクトの状態を共有し、どれだけ厳しい状況であるのかを全員が理解した上でどうするのかをしっかり話し合っていくことが根本の改善策なのだと思います。
けど、これみんなやらないんですよね。
なぜなら「いっても無駄だから」「お客さんの要求は絶対だ」などの意識がSIerには根強く残っているからだと思います。
プロジェクトは生物なので、日々状況が変わり、打つ対策も場面や状況によって様々に変わります。
そんな状況でもステークホルダーの情報連携が密に行われていて、対策を柔軟に考えていきましょう、という共通意識を持つことが、今後の残業時間対策の初めの一歩ではないかな、と思っています。
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