社会的処方活動×育自の魔法→団地カフェ

今朝も育自の魔法の仲間と『社会的処方』※の読書会。

社会的処方とは
例えば、心や体の調子が悪くて病院にいくとします。診察を終えた患者さんは「この薬を飲んでね」とかかりつけのお医者さんから処方箋を受け取ります。ただ、調子が悪くなった原因に「孤立している」「環境がよくない」ケースが少なくありません。この時に薬だけでなく、体操や音楽、ボランティアなど、参加すべきサークル活動を医者が紹介したらどうでしょう?医療機関に持ち込まれる問題の2~3割は、社会的な問題と言われています。そして、あなたの身近にも「つながりがない」ことが原因の課題がたくさんあるはずです。
それを解決していく「社会的処方」。
市民ひとりひとりの活動が、誰かのお薬になります。
        社会的処方研究所発行 フィールドノート「野帳」の解説文より


育自の魔法の仲間と2月から始めた読書会。最初は本の内容に沿うことが多かったのだかが、最近はㅤ本の内容にとらわれず、社会的処方に関する自分たちの知っていること、見たこと、体験したことをシェアして、話が発展していくのが面白い。 

今回は、地域住民の座談会や、小学校での座談会での話になった。

言いたいことがある人たちが集まってきて、テーマとは全然違うことを話をしていても、そこを進行する地域の方は「テーマと違いますから」と中断せず放っておく。放っていても、困っている人がいたら周りからアドバイスもあったりして、誰かが誰かを支えているのだそう。そして、ぐるーんと話が回って最後にはちゃんとテーマに着地するのだそう(笑)ファシリ、いらんやん。


私が最近始めた団地カフェ※の時に「団地の中を歩こう会」をやろうという話になった。

団地カフェ:育自の魔法のワークショップでは、じぶんのことを話したり、自分の好きなことを語ったりする。自分の好きなことをいつもより2倍やってみよう、という宿題もある。私は、コーヒーが好きで、人とコミュニケーションするのが好きだから、団地の中で社会的処方的な行動をしたかったので、青空八百屋が出る週2回の時に、青空八百屋さんの横にちょこんと座り、コーヒーやお茶を配り始めた。その活動を団地カフェと勝手に名付けた。


高齢者が多い団地なので遠くへガツガツ歩けないから、せめて団地の中でもゆっくり歩こうという八百屋さんのアイディア。でも、もう何十年も住んでいる団地の中を歩こうというのも、なんかイマイチ面白くないなあと読書会の中で話したら、Eちゃんがアイディアをくれた。
「フィールドウォーク」という手法があるそうで、歩いて気になったところを写メして、歩き終わったら、その写真を絵にして貼り出して、その写真について説明したり、見た人は感想を言い合う。そうすると、写真を撮った人の視点がわかるし、お人柄もわかるという手法だそうだ。

それは簡単そうだから、やってみたい。青空八百屋のおじちゃんに相談してみようと思う。


読書会では、Aちゃんがごちゃ混ぜ世代の介護施設の話をしてくれたり、シルバー早朝歩こう会の事例とか、シェアしてくれた。
本の内容直接的なことからは離れて、自由に話をしていると最後には何かが着地する感じがある。それが面白い。「次、やってみよう」という気持ちになるから不思議だ。

 

『社会的処方』の本は、は社会的処方研究所から出版されている。この団体のロゴマークは、ジグソーパズルだ。

自分のできること、好きなことで誰かの役に立つ。ジグソーパズルを人になぞらえて、それは凸凹があって、大きさも違う。社会の中で自分のピースで動けたらいい。それは誰かのピースと繋がっていくのだと思う。 

私は団地カフェの活動は、もともと団地の中で10数年青空八百屋をやっていた人がいたから、そこの人と仲良しだったから、隣にちょこんと座ってコーヒーを出すことができた。人間関係ができていたからできたことだ。事前に相談することもなく、突然「コーヒーを持ってきたよ」と八百屋のおじちゃんたちに配ることから始めた。

その八百屋さんも、勤めを退職後、趣味で始めた野菜作りが取れすぎてみんなに配っていたのがきっかけ。お話好きでその明るいお人柄から近所の人たちが野菜目当てだけど、そこでのおしゃべりが楽しくて出てくる人も沢山いるのだ。 

八百屋さんのピースと、私のピース、花づくりの好きな人のピース、洋裁がうまい人のピース、映像作家の人のピース。いろんなピースが集まって、ここの団地の社会的処方が生まれるんじゃないかと思っている。ピースがつながっていくのが楽しい。


育自の魔法の仲間たちや参加した人たちも、それぞれのピースを誰かのピースと一緒に組み合わせていくと、小さな活動でも元気の出る人がちょっとづつ増えていくのではないかなと思う。誰かと誰かが繋がって。

私は大きく社会を変革させていく活動がカッコいいと思っていたフシがある。だけど実際動かしていけるのは自分の住んでいる足元からなんだと、NPOを11年やっていて初めて気づいた。 読書会でポロリと出た自分の本音にびっくりした。

この読書会、社会的処方につながる、実践的な話やアイディアが出てきます。
育自の魔法をワークショップだけでなく、日常生活に活かす実践は、すごく面白いです。 

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