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2024.2.21〜2024.2.23 日記 ひらいめぐみ『転職ばっかりうまくなる』(百万年書房)

◆2月21日

一日の仕事を納める。傘を差しながら、通勤路を外れて書店さんに寄る。あれも、これも、と悩むうちに結局大人買いをする。

その内の一冊、ひらいめぐみさんの『転職ばっかりうまくなる』。二日前に見かけて気になり、翌日職場のデスクで悶々としながら「読みたい、買おう」と決めた(あいにくその日は店休日だった)。今日は半ばこの本を目当てに来たのだった。
電車の中で読み進める。面白いんだけど、自分のもう二度と戻りたくない学生時代を思い出して、うっと胸が疼く。心の中で軽く咆哮しながら雨の帰路につく。

セルフネグレクトを発揮して夜ふかしをする。平日だったら明日の労働を考えて重い腰を上げるので、休日前のお風呂が鬼門。遥かに鬼門。また明日から睡眠サイクル整えよう、、とうだうだと考えながら、2時過ぎに寝た。


◆2月22日

『転職ばっかりうまくなる』読了、よかった。労働を想ってすり減っていた心がむくりと起き上がる。



◆2月23日

どうやら自分は、たとえば「最低でも一年勤める」と目標を設定すると、ナーバスになるようだ。クラス替えの度に絶望したマインドなのだ。最初は良くても長年の習慣なのか、身体がぐっと力んでしまうようで、心身共にすり減ってしまう。へのへの。

自分がなんでこうなったか、思い当たる節しかない。一つは子ども時代、担任の先生から、高い目標に向かってタンバリンで追い立てられる四年間を過ごしたので
(決して比喩ではなくマジで!マッハで膝で叩く彼女の決め台詞は、「私だって痛いからやりたくないのよ!」だった。だったら叩くなよ)
その頃感じた学習性無力感とか、過緊張とか、大人になっても後遺症を抱えているのかもしれない。

あの時ああだったのよ、こうだったじゃん、と小さなわたしが喋る数日間だった。小さなわたしが喋るまま、大人になったわたしは今日、心療内科の予約を取った。家族と宗像へ行き、菜の花畑を撮って、玄海茶漬けを食べた。たまたま寄ったカフェは、和室にテーブルと椅子が置かれていて、食べたおはぎのすっきりした甘さが舌に残った。また寄りたいと思える場所だった。

小さな頃の傷は疼くけれど、帰りの車中で、何ができるか、考える自分がいた。求人を見て、自分にできることとできないことをリストアップする自分がいた。とりあえず次の転職先は納得できる給与で探そう。職場で求められることに不安はまだあるけれど、働いていれば経験になるだろう。「自分からは絶対進んでやらない」ような出来事も、やっている内に意外と大丈夫になることだってある。そんな経験、会社だからすることかもしれないのだ。ああ、楽観。でもそう思う自分、ここ一週間くらいご無沙汰だった。おかえりなさい。

とりあえず、一月たりとも「少なくともこれくらいの期間勤める」と目標を立てずに、こうやって起き上がる自分を見失わずに、働けますように。ときどき忘れても、また本に思い出させてもらうんだろう。多分、自分にとって『転職ばっかりうまくなる』は、そんな読書体験だったんじゃないかな。

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