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🌲🌟絶景!温泉を浴びる、世界最強の耐酸性を誇るコケ達

その名はチャツボミゴケ。
強酸性の過酷な環境を好む珍しいコケ。
各地の鉱山跡や温泉場などでコロニーが確認されていますが、
中でも日本最大級の規模を誇るのがこれから紹介する「穴地獄のチャツボミゴケ」です。

沢に群生するコケの写真

場所は群馬県吾妻郡の最奥部、六合(くに)地区。
住所は中之条町ですが市街地からはほど遠く、草津町から車で30分くらい山を入っていった所にあります。

まずは受付で入園料600円を払います。
チャツボミゴケの群生地「穴地獄」までは、無料のバスで途中まで行けます。
そこから歩くこと5分くらい。
バスを使わず、全部歩けば30分くらい。

道中も渓流が涼やかで気持ち良いのですが、
木道(もくどう)に入ってからのチャツボミゴケ群生地は絶景です。
あまり見たことのない面白い景色です。

沢から遠くの山まで見渡せる写真

全体的には沢のようになっていて、そこに抹茶色に光るコケ。
発光しているように見えるのはなんでだろう?
ビロードのように細い繊維が密集しているから?
たくさん生えている所と少ない所がグラデーションになって、陰影を作り出しているから?

コケの近影の写真
ガイドブックから抜粋
コケやシダ植物が生い茂っている写真

ここから湧き出ている温泉の温度は25℃前後なので、正確には温泉ではなく、鉱泉ですね。
いわゆる硫黄の匂いがします。

穴地獄という名前の由来。
古くからこの地は、鉄鉱が豊富だったそうじゃ。
昭和18年頃まで、ここに巨大な水溜りがあって、
奥から湧き出る温泉が、苔むす赤色の岩肌を滴る様子から、地獄とも呼ばれておった。
採鉱によって現在は穴は平らになり、その名前だけが残ったそうじゃ。

ちなみに現在でも鉄分豊富なのがうかがえる地面の赤土。

地面の一部が鮮やかな赤色をしている写真

コケの群生地から少しそれた辺りに、神秘的な池がありました。

葉っぱが浮く池の写真

ドラクエなら、確実に新しいストーリーが展開するフラグです。
青いトンボがスイスイ飛んでいました。

もくどうをそれて上っていく写真

この貴重な生態系は国の天然記念物であり、ラムサール条約に登録されています。
また、ここ六合(くに)地区は「日本で最も美しい村連合」に入っているんです!
赤岩集落、野反湖(のぞりこ)と合わせて、このチャツボミゴケが加入要因となりました。
六合村(現在は中之条町に合併)は本当に秘境で、私もまだ未知数の魅力を感じている地域です。

ガイドブックによると、10月のチャツボミゴケはもっと青々と生い茂っているし、
冬の間は閉園していますが、どうやらスノーシューツアーがあるみたいなので、
絶対にまた来ます!

チャツボミゴケ公園

開園期間、4月末から11月末
受付時間、
4月~9月は8時45分~15時30分
10月~11月は8時45分~15時
入園料、600円
足元が悪いので、歩きやすい靴がいいです。