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#48 メールの最後は「響く言葉」で余韻や重みを感じさせる工夫を

メールで心を込めてメッセージを送りたいとき、私は最後に、伝えたいことが集約された格言、詩などを引用して記しておくことがよくあります。
私は日頃から、本や雑誌を読んでいるときなど、心に響く言葉に出会うと、すぐに書き留めています。これまでに貯めた「いい言葉」は、200個を超えています。

一例をご紹介します。

■「自ら機会を創り出し、機会によって自らを変えよ」(江副 浩正氏)

■「才能とは継続する情熱のことである」(モーパッサン)

■「およそ事業に必要なのは、『する力』ではなく『やり遂げようとする決心』である」(ブルワー・リットン)

■「行動は恐怖を消してくれる。行動に移ろう。待っていてはいけない。100%の準備ができているなんてことはないのだから」(ドミニク・グロシュー)

これらの言葉は、時々読み返して自分に刺激を与えるほか、同僚・後輩・部下、転職活動のサポートをお手伝いしている方々、あるいは友人に向けてエールを送りたいときなどに、メールや手紙に使っています。
お客様に対しても、お世話になった方は異動されたり退職されたりする際に、これまでの御礼のメッセージの最後に、贈り物としてお気に入りのメッセージを送ることもあります。

また、クライアントに対しては、初回訪問のお礼のメッセージの中で、「所信表明」の意味を込めて、次のような言葉を伝えることもあります。

■「何を経験したかが大事ではなく、その経験を通して何を学んだか」(某経営者の方から聞いた言葉)

■「学んだ事のたったひとつの証は変わる事である」(林竹二氏)

自分が発信するメッセージを、より強く相手の心に響かせたいときは、このように「短くてもパワーを持った言葉」の力を借りるのも有効だと思います。

ちなみに、私がこれまでに受け取ったメールで、他の人とは一味違って印象に残った例もご紹介します。

ある方は、写真を趣味にされているようで、仕事に関するメールによく画像が添付されています。おそらく自宅周辺の日常の風景をとらえたもので、庭のお花、公園の風景、高台からの眺め、散歩している犬など、開いた瞬間にほっと力が抜けて、笑みがこぼれるような写真を送ってくださるのです。そして「森本さん、忙しいだろうから、たまにはこれで癒されてね」というメッセージが添えられています。写真を見て和むだけでなく、その思いやりをとてもうれしく感じます。

メールの最後に「これ読んでみて」と、新聞記事や本の1ページのPDFが添付されていることもあります。それが、私が興味あるテーマ、感動するテーマだったりすると、「私のことわかっていてくれているなぁ」と改めて感動するのです。

「お礼メール」では定型文を使わず、素直な感情を表現

会いたかった人との面会が叶い、お話しすることができたなら、面会後にお礼メールを送りますよね。その際、気持ちが伝わるように書きたいものです。

次の2つのお礼文を見比べてみてください。

「本日はありがとうございました。お目にかかれて大変光栄でした。ためになるお話を伺い、勉強になりました。今後共、お付き合いのほど、よろしくお願い致します」

「本日はありがとうございました。お目にかかれて とてもうれしかったです。伺ったお話はどれも『なるほど!』と思うものばかりで、特に********というお話は、まさに目からウロコでした。さっそく実践してみます。ぜひまたお話をさせていただきたく、次の機会を楽しみにしています」

さて、皆さんが受け取るとしたら、どちらのメールがうれしいでしょうか。

前者は、礼儀正しいのですが、いかにも形式的で、本音をはかりかねます。「マナーとして一応お礼をしておかなくちゃ」という表面的なメールなのかな、と思ってしまいます。やはり、後者のほうがより気持ちが伝わってくるのではないでしょうか。

書くときのポイントとしては、
●ビジネスメールの定型文はあまり使わず、目の前で話しているような表現で書く
●「うれしかった」「楽しかった」など、素直な感情をストレートに伝える
●具体的にどの話が印象に残ったのか、自分がどう感じたのかを書く

「この人は自分に会ったことを喜んでくれているんだな」と思えば、相手もまたあなたに再会したいと思うはずです。


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