#33 頼まれなくても、「相手に喜ばれること」を想像して実行する
世の中には、メーカーや商社のように、最初から明確な形のある商品を持たないビジネスがたくさんあります。たとえばIT、インターネット、金融、広告、教育といったサービスは「ソフト力」が勝負ですよね。私が手がける人材サービス業もそうです。
ソフト力が勝負のビジネスにおいて、信頼を得て任せていただけるためには、いかに「付加価値」を提供できるかどうかがカギとなります。
そこで私は、自社の定型サービスの範囲外で、相手に喜ばれそうなことを先回りして実行していました。ポイントは次の2つです。
1---相手の作業負担が減り、楽になること
こちらからの提案を社内稟議にかける必要がある場合は、こちらで稟議書や参考資料を作成し、担当者はそのまま上層部に提出するだけでOK、という状態までお膳立てを行いました。
また、大量採用を行う企業では応募者の数が多いため、書類選考~面接~内定通知といった進捗管理がとても大変です。それがスムーズになるよう、各応募者が今どの段階にあるのかを毎日私が情報を整理し、朝一番で担当者に資料としてメールで送っていました。
このように、相手の業務効率が上がるようなサポートを心がけました。
2---相手が任務を成功させ、社内で高評価を受けること
相手が会社から褒められ、社内での価値が上がるよう、任務の成功をお手伝いします。
私の仕事の場合、顧客先の担当者の「任務成功」とは、採用目標を達成することです。しかし、採用がなかなかうまくいかない要因が、応募者側にあるのではなく(経験・スキルを満たす人材がいない、など)、内部に潜んでいることもあります。
例えば、人事担当者が忙しく現場のニーズをつかみきれていない場合があります。そうしたときは、多忙な人事担当者に代わって私が採用部門の責任者とお話しさせていただき、現場の課題や求める人材像を正確につかむのです。
また、採用部門の面接担当者が「転職市場の相場」を理解しておらず、高望みしすぎて不採用の判定ばかりしているようなケースでは、相場観や他社の採用事例などをお伝えし、適正な判断基準を持っていただくようにします。
これにより、採用目標の達成、入社後のミスマッチの防止につながり、担当者の「手柄」として社内で評価されるというわけです。
「この資料はお役に立つのではないでしょうか。よろしければお使いください」
このほか、
●相手方のプロジェクトがうまく運んでいない場合、忙しい担当者に代わって関係者にヒアリングしてまわり、原因を見つける
●担当部門の売上が上がるように販促手法の提案をする
●相手が上司に提出する企画書について、参考になる資料やデータを提供する
など、相手の業務を観察していると、サポートに入れるポイントが見つかるはずです。
このように「あなたのおかげで助かった」が積み重なっていくことで、信頼を獲得することができるのです。
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お客様や周囲の人々とよりよい関係を築き、あなたのビジネスがより大きく、喜びに満ちたものとなるよう、人生がキラキラと輝かしいものになるよう、心よりお祈りしています。
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