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戦略の本

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2021年12月の記事一覧

Selectionと戦った10,000時間:【その4】売れないのは商品のせいじゃない

サマリーSelectionは獲得するだけではいけない。ちゃんと売れる土俵に乗せてあげるために、てをかけてあげなければいけない、というお話。Selectionを獲得した後に、カスタマーの当たり前クオリティを担保するために最低限必要な3つのポイントと、なぜそれらがe-commerceにとって重要なのかを書いてみた。 獲得した後に何をすればいいのか先日まで3回に渡り”Selectionの獲得”に関する考え方について書いた。 「どのような売場をカスタマーに提供するのか」ということ

Selectionと戦った10,000時間:【その3】じゃあ、いったいどこまでSelectionを獲得すればいいのよ?

サマリー前回①獲得するフェーズとして「カスタマーの日用消費財購入のGo to storeとなる」ために「重要な競合に対して徹底的に同質化をとる」と説明。この同質化のロジックを深堀りする。また”同質化”による後追いモデルから、いかに”差別化”するかの説明を加え、このフェーズの締めとする。 どこまでSelectionを獲得するの? 世の中には一体どれくらいのSelectionが存在するのだろう。 Selection大臣として各国の数値の比較は定期的にしていたが、事業規模からい

Selectionと戦った10,000時間:【その2】Amazonってどんな売り場を目指しているの?

サマリー今回の記事では、Selectionには4つのフェーズがあり、①獲得するフェーズ、②売れる土俵に乗せる、③更に売りを伸ばす、④儲かる売り方を工夫すると定義。今回は①獲得するフェーズの説明として、Amazon消費財事業部のSelectionの目的である「カスタマーの日用消費財購入のGo to storeとなる」を達成するために、「重要な競合に対して徹底的に同質化をとる」というActionを打っていることを説明。 前置きこれから数回に渡ってSelectionに関して書いて

Selectionと戦った10,000時間:【その1】AmazonにおけるSelectionとは?

サマリーベゾスが紙ナプキンに描いたFlywheelでも中心に据えられるSelection。AmazonにおいてSelectionはPricingやDelivery Experienceと並び、One of oldest fundamentalsとして世界中で最重要指標となる。今回は、消費財事業でSelection拡大戦略をリードした数年間からの学びについての導入のお話。 はじめに セレクションに関して書き始めると、恐らく一つの記事にまとめるのは難しいと思うので、数回の連載に

グロースの逆説 : メルカリで分析とサービスグロースをやる前に知りたかったこと

この記事ではメルカリという会社で4年ほどプロダクトやマーケティングの分析、グロースなどをやっていた僕( hik0107 / hikaru )がそこで得た学びをまとめておこうと思います。 特に「こうやったらうまく行った」というよくある成功談ではなく、 「これをわかってなかったために時間を浪費した」 「結局の所、これが一番大事という当たり前の結論に達した」 などという"知っていれば手間をショートカットできたこと"をメインテーマに書いていこうと思います。 そういう知見は一見