外星通訳一族、”AKIMOTO”23
『我らの”中”で嘘をつけると思うな。』
―――― 初代通訳官 秋元 郷司が通訳した「ウルスの警告」 ――――
――――宇宙 ウルス『対講話宇宙船』 大会議室
「いや、だからさ、うん、首長。それは難しいんですってば。」
誠児が「休みを作れ」と要求されている間も和久は首長達との講話は続いていた。そして、衝撃の発言に目眩を感じていた。
【無理なのか?】
首長は尋ねる。
【その”敵”とやらと友人になるのは。】
もう一度聞くが……
「私たちとボルとの良好な関係を前提とすれば99%無理ですね。あるいはできても問題が浮上するかと。」
和久は率直に答える。
「ボル側を保護するならば余計に無理に近いです。考えてください、敵が彼らボルの全滅させるを要求してきたら?あるいは引渡しでも構いません、それを求められた場合、ボルはどうなります?」
とにかく、彼ら友人には現実を突きつけねばなるまい。
「それにボル側の心境を考えてください。自分の星を滅ぼした相手と急に友人になるのは不可能です。ええ、絶対に不可能です。強行したとして可能なものもいるかとは思いますが、確執は残り、後にとんでもないことになります。地球側はそれ以前にその敵とウルス人の意見が分かれた場合にウルス側につこうと敵側につこうととんでもない損害を被るだけです。なので今までの関係とも違うアプローチが必要になるかと。」
たったこれだけのこと。
だがウルスには理解しがたいことなのか?いや、彼らは、否、我々秋元家とウルス人は過去、『地球の中華連邦小国の軍人』と戦っている。
その事実を彼らは受け止めたはずだ。
『戦闘、あるいは戦争において”敵”はこちらを騙してくるし、敵対した場合殺意と武力をもって相対してくる。』と。
【和久、首長たちは…】
サランが俺に直接【伝えてきた。】
翻訳機を通さずに。
……ああ、そうか。彼らは『今回のボルの敵をまだ敵として認識していないのか。』
なるほど、まだ会っていないから「友人になれる可能性があると思っている。」と……
【和久、少しだけ違うわ。】
ん?いや、違う。違うのか?何が?
私は現金な人間なのでしょう。お金をもらえると嬉しいとおもい、モチベーションが異様に上がります。そうするとどうなるか。書きます。異様に書きます。つまり続きます。 作品の完結には、皆さまのご助力も、私は必要としています。余裕があるときにだけでいいので、補助を宜しくお願いいたします。