～攻める姿勢～　2020/8/23鹿島アントラーズ対ガンバ大阪　レビュー

この試合で内田篤人が引退することとなっており、勝って送り出してあげたいアントラーズ。

対するガンバは、前節の浦和戦では、体調不良でキムヨングォンはベンチ外、昌子をスタートからとなった３バック。ディフェンスでボールをもっているところに、レッズのプレスから、あっけなく３失点で敗戦。

ガンバは前節の反省から、ディフェンスラインでボールをもったときに、これまで通り、繋ぐ姿勢を見せるのか、セーフティにプレーするのかに注目。

スタメンは、ヨングォンが復帰。昌子、三浦とJ最強3バックを形成。
左CBにヨングォンが戻ってきたことにより、ビルドアップが安定するかもしれない。

試合が始まってみると、前半6分に左サイドでうまく抜け出した倉田からグラウンダーでのクロスに、宇佐美が合わないも、後ろから小野瀬がゴール。
ガンバはかなり早い時間に、先制することに成功。

その後は、ガンバはボールを持つと、この試合スタメンに抜擢されたパトリックへのロングボールばかり。
ディフェンスラインからの繋ぎを、ほぼ放棄。のこりアディショナルタイム含め90分間、ほぼ守る試合展開。

単発的な攻撃から、何度かガンバに追加点を取るチャンスはあったものの、追加点は生まれず。
最終的にはアディショナルタイムにうっちー魂の外外クロスから鹿島に追いつかれ、１－１の同点で試合終了。

試合後、昌子も言っていた。「この戦いをするなら勝たないと。」

多くのクロスが鹿島からあったが、確かにこの３バックなら、ほぼ安定して跳ね返していた。
高さ・競り合いで相手が余裕を持てるわけがないのだ。簡単な失点はほぼないだろう。
だが、90分ずっと守備をしていて、無失点で終われるほど、今のJリーグは軟弱ではない。

2点目を取る、取りにいく姿勢が無ければ、相手の攻撃が終わらない。ディフェンス陣も余裕がなくなり、どこかで失点してしまう。

この試合では67分の交替で、5-4-1的な守備に徹した形にして逃げ切りを図った。
この采配で追加点をほぼ諦めることになった。疲れたパトと小野瀬では一人でボールを前に運べない。
交替で入った小野も、一人で運べるタイプではない。
また、この試合は散々パトボールで、繋ぎを放棄していた。疲れている時間帯にこのチームは、急にチーム全体で前にボールを運んで、前に陣形を押し上げるなどできない。
少しでも得点の可能性・相手への脅威が無いと、厳しい。

この戦い方では安定して勝ち点3を得る、優勝を狙うには心もとない。

これまでのシーズン全体の戦いを見ると、ガンバは先制すると、攻めの姿勢がかなり弱くなる。
重心が後ろになり、ディフェンスが跳ね返して、マイボールになっても、前に運べなくなる。前線までボールが届いても単発的な攻撃となる。
たまに、上手くいって、すーぺるごらっそ（神戸戦の宇佐美）で追加点が取れる時もあるが。

また、前半途中までは、ビルドアップやプレスが機能して、優勢なことが多いが、前半30分ごろからは守勢となることが多い。試合前に準備してきたことを、体力が余っているうちはできるが、だんだんと相手が慣れてきたり、配置を変えてきたりすると、上手くいかなくなる。

こういった先制後や試合中盤以降の戦い方を改善しないと、継続して勝ち点3を取り続けるのは、なかなか厳しい。

ポゼッション・ポジショニングが鍵となると思う。
陣形を押し上げてのボール保持・安定した攻撃ができるようになれば、ディフェンス陣も落ち着ける。相手をゴールから遠ざけることができる。

そのためには
・ポジティブトランジション
・スローイン
を改善したい。

ボールを跳ね返す力はあるが、相手にボールが渡ることが多い。キープ力に優れた（ルーコンのような）選手がいれば、チームが前に押し上げられるが、宇佐美もアデもパトも、上手くキープしてというタイプではない。
スムーズにボールを前に運べるように、相手からボールを奪ったときのポジティブトランジションを整理しておきたい。

また、昔（ハセケンのとき）からだが、スローインのボールを安定して、自分たちのボールにできない。単純に練習とかしてないんだろう。へたくそ。
そのわりに、割と余裕がある状態でも、ラインを割りそうなときはスローインを選択しがち。
ザックジャパンのようにスローインの練習して、ちゃんとマイボールにして、チームとして余裕をもてるようにしてほしい。

宮本ガンバは、これまで前節悪かったところの対応（今節でいえば、ディフェンスラインでのリスク管理）はちゃんとできているが、それまでできていたこと（今節でいえば、ビルドアップ）まで、捨ててしまうような戦いが多い。
チームの原則に基づいて、毎試合改善を"積み重ねて"、強くなってほしい。

次節は、ハセケントーキョー。
FC東京の強力外国人FWとガンバのJ最強3バックの戦いは楽しみだ。あとは、監督同士のゲームプランが見どころかな。

あとがき：
この日は、ガンバ見た後に、半沢直樹みて、仮眠して、CL決勝を見るという充実した時だった。
CL決勝は、Jリーグの1.5倍速みたいでやばかった。速すぎて、ピッチ上で何が起きているか全然わからんかった。

ちなみに、右センターバックが高尾のほうがビルドアップがスムーズで好き。

ハセケンには、3冠の施されたので施し返す「恩返し」だ！