職場にキャッシュレス決済はどれだけ普及するのか(ネスカフェアンバサダー1ヶ月目)

キャッシュレス決済の個人間送金について、ネスカフェアンバサダーの集金のついでにどれぐらい普及するのかモニタリング中した話。導入・運用時に苦労した点や気付きについて。

はじめた背景

オフィスの隣のファミマが閉店したことを期にネスカフェアンバサダーを始めました。ネスカフェアンバサダーは、ネスレと契約した個人が個人裁量で発注・設置・集金までを行うエコシステムです。ネスカフェアンバサダーについて下記書籍で感銘を受けて始めました。

発注と設置については一人で気ままにやればいいのですが、集金となるとユーザー(同僚)とのコミュニケーションをしっかり設計する必要があります。色々考えた結果キャッシュレス決済への一本化が最も楽できるにということになりました!

現金での集金が最もコストが高い

集金するにあたってどう考えても現金は面倒でした。小銭がない場合の両替、集金額の把握、万一の盗難リスクなど、集金する方もされる方もコストがかかります。特に「1カプセル=60円」で販売したかったため、ぴったり払うには常に50円玉と10円玉を確保しておく必要があります。その点キャッシュレスなら常にぴったり払える上盗難リスクも低いです。

準備

どうしても「ここのQRをスキャンして支払ってね」というのがやりたくて、逆にやりたくなかったのは僕と友達になって送金してね」という形式。友達申請したり許可みたいなものをユーザーごとにやっていくのは運用側としては面倒なので、「受け口さえ置いておけば勝手に不特定多数から送金される」が理想でした。

コーヒーマシンのそばにQRコードを掲示してみた。PayPayとKyashは個人間送金用に固定のコードを表示できるのでそれを設置、LinePayは個人間送金用コードが5分おきに更新されるためそれができません。そこでネスレが提供している「LINE Pay for ネスカフェ アンバサダー」というサービスで固定QRコードを発行できます。

運用開始も微妙に高いハードル

開始時に「小銭集めるの大変だからキャッシュレスだけにさせてね」と言ってはじめてみましたが、実際に開始した所概ね2通りの問題が起こりました。

①ほとんどのユーザーが個人間送金できる状態にない
社内はPayPayユーザーが多く殆どがクレジットカード登録のみのユーザーでした。PayPayで個人間送金する際は銀行口座登録し、チャージしたウォレットから送ります。そうでない場合に個人送金用のQRコードを読み込んでもエラーメッセージが表示されるのみで、「QR決済使えないんですけど。。」や「ポイントで払えない!(ポイントも個人間送金の対象外)」といった声が多数来ました。

②キャッシュレス決済を設定するのは面倒くさい
そもそもキャッシュレス決済の設定はかなり面倒です。アプリをダウンロードしメールアドレス・SMSコードの入力や、クレジットカードやキャッシュカードが手元になければ決済情報を入力できません。どうしてもそもそもキャッシュレス決済を始めない層は一定数要るようです。

これらの問題がコーヒーを飲みたいユーザーの気持ちを削ぎまくるので、結局ネスレから支給された貯金箱を(できるだけ見えない場所に)置くことになりました。

設置から1ヶ月経過したので決済方法ごとに精算してみる

上図が設置から1ヶ月の利用額の内訳です。
・LinePayが個人送金も含めて64%と圧倒的シェア。LINE自体の普及が大きそう。
・現金は全体の20%と想定よりも少ない。(見えにくい所に置いたのが良かったのかも)
・Kyashは利用0。Kyashで送金機能を使っているユーザーはどれぐらいいるのだろう?

QRコードで集金して思ったこと

各社クレジットカード登録への導線最適化がすごい
ほとんどのユーザーがキャッシュレス決済の、クレジットカード登録だけは完了しているということが分かりました。これってアプリをダウンロードしてからいかに簡単迅速にクレジットカードを登録し「QRコードで支払ができた」という体験をさせるかのゲームの結果だと思います。

手軽に個人間送金できる未来はもう少し先っぽい
逆に決済アプリに銀行口座を登録している人はまだまだ少ないようです。クレジットカードに比べて登録が煩雑になりがちなので、アプリ側で口座情報の登録率を上げるには相当なインセンティブが必要と思います。(割り勘キャンペーンなどありますが、それでもアプリダウンロード→口座登録まではかなり面倒。。)現状は個人間の口コミがインセンティブとして強い印象。割り勘の際に「LinePayで送るわ」という人が4割ぐらい出るようになったら一気に広まりそうでもあります。

ネスカフェアンバサダーのビジネスモデルは改めてすごい
集金だけでなく機器のメンテナンスや豆の発注など、これらをアンバサダーという名のボランティアが進んで実施するのがすごい!
アンバサダーする側としてはオフィスグリコごっこをしているつもりになって結構楽しいです。今後アンバサダー継続のキーになるのは「現金を廃して集金コストを更に低下」「在庫管理と発注の手間を減らす」の2つかと思います。ネスレ側でもダッシュボタン的な「オートボックス」の提供を始めたりしており、ロイヤリティの高い顧客を継続させてLTVを高めるゲームを享受できる機会としてもうしばらく続けようと思います。


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