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【書籍】『秘密結社LadyBirdと僕の6日間』~個人の強さゆえのチーム力~

こんにちは、森捺貴です。
今回は以前読んだ書籍、喜多川泰さんの『秘密結社LadyBirdと僕の6日間』について。

本書のあらすじ

Amazonのあらすじには、以下のように記されています。

主人公の颯汰(そうた)は誰もが羨む水泳のセンスを持つ高校3年生。

しかしライバルに本気で挑んで負けるのが怖く、早々に水泳を辞めて「書道部」に所属しながらダラダラした受験生活を送っている。そんなある日、颯汰は熱中症になって道端で倒れてしまう。

次に彼が目を覚ますと、そこは父親がお気に入りで何十回と観ている映画『Ladybird』に出てくるバーだった。
しかも目に映った人物は映画の中でいつも観ているその人たち本人……。

キラキラと輝くように生きている大人たちとの出会いが、颯汰を変えていった。
「生きることがつまらなかった。だけど僕は、あの日、あの人たちに出会って、自分との約束を守る大人になると決めたんだ」

10代のストレートな心模様を描く青春小説の名手が挑んだ、まったく新しい登場人物たちの設定とストーリー展開。
読み終わったとき、誰もがきっと自分の人生を静かに見つめ直すことでしょう。

Amazon ECページより引用

物語調で書かれており、とても読みやすかったです。

基本的には主人公である颯太視点で物事が進みます。
時々、登場人物の過去や、颯太との関わりに関して、他の登場人物視点で描かれている場面もありますが、比較的状況を追いやすい方だと思います。

以下、ネタバレも含みます。

登場人物

Ladybirdで遭遇した大人たちは、様々なジャンルで活躍されています。
世間一般的にみて、いわゆる”成功者”です。
↓↓↓

【二階堂肇】
若いころから、自主製作の映画を撮り続けており、工業作品の監督としても33歳のタイミングでデビュー。
それ以来、七本の映画を撮っていたが、若くしてすい臓がんで亡くなる。
本作品はこの二階堂の訃報のタイミングでの話となる。

【保科希】
22歳の時にドラマでデビュー、24歳でドラマ初出演。
そこから数々のドラマ、映画に主演し、30歳で一般男性と結婚する。
二階堂の作品にも出演。
ちなみに、ネットを検索すると、悪名高いキーワードばかり出てくる。

【月代漸登】
1995年に作家としてデビュー。「Ladybird」含め、4作品が映画化されている。

【篠宮香代子】
南青山に、ファッションブランド「フィサリス」を立ち上げている。
日本だけでなく、アメリカやフランスなどにも販売店契約を持つブランドとなっている。

【熊谷謙治】
建築事務所の代表取締役で、一級建築士の資格も持っている。

その他、【本庄和宏】【御堂哲】もキーパーソンとして登場するが、一旦割愛する。


①「Ladybird」とは?なぜみんな成功しているのか

この7人の共通点といえば、「Ladybird」の共演者、より正確にいうのであれば、オープニングのシーンに写っている人たち、となる。

世間からみたら、「Ladybird」の出演者、という共通点が先に来るかもしれないが、実はそうではない、というのが本編の題材になります。

この7人はたまたまLadybirdに写ったわけではない。
元々深い繋がりがあって、その表れとしてオープニングに起用された。

世の中でもこのようなことは多々あると思う。
何も知らない状態で物事を見るときと、その背景を知ったうえで物事を見るときだと全然違う状態。

本作品においては、7名は同じ市内の中学に通う同級生だった。
出身中学も違えば、目指しているものも異なる、性格も違う7人。

中学生の時の出会いをきっかけに、この7名のチームが出来上がりました。
この出会い自体をその場限りにすることも出来るし、チームとしてもっと緩やかなものにすることも出来た。
ただ、7名の方々は、そのチーム力を最大限に活かし、上述した”成功”にまでたどり着いた。

なぜそれが出来たのか。
具体的な目標は個々人で異なる。

ただ、良い人生にするために全力を尽くす、そこは共通していた。
お互いの人生にレバレッジをかけるための最強の秘密結社。

それは依存関係とは程遠いもの。

このチーム力については、重いものを複数人で持ち上げることに例えられていた。
お互い助け合う、という言い方だと、誰かがいないとダメ、という関係、
相手に依存しているようにも聞こえる。

ただ、お互いに他者への依存心があった場合、上手くいかない。
誰かがやるだろう、誰かが自分のためにやってくれるだろう。
重いものも、その心意気では何人集まっても持ち上がらない。

大事なのは、自分は全力を尽くす、と決めていること。
全力を尽くすことを決めている仲間が集まるから、レバレッジがかかる。

秘密結社の時も、仲間みんながそれぞれのフィールドで全力を尽くしている、と信じながら、
まずは自分が全力でチャレンジすること、そして結果を残すことに集中していた。

そのため、時間はかかったかもしれないが、各人がそれぞれのフィールドで世の中に通用する一流のビジネスパーソンとなる頃には、
お互いがコラボした際には掛け算となって良い影響がうまれる状態になっていた。

そうなったらあとは掛け算の組み合わせ。
複利ほど強いものはない。


②成功者のその先

そして、もう1つのテーマにも感動した。

自身が豊かになった先にどうするか?
Ladybirdの後半戦を見ずして二階堂さんは亡くなったわけだが、後半戦を描いていた。

秘密結社の存在を公にして、その可能性を世の中に広めること。
自分のため、というレイヤが終わった後は、目の前の方、世の中のため。

生きるための仕事から、他者のための仕事に。
とっても魅力的な発想だし、世の中で成功者と言われる方ほどこの思考が強いと思う。

自分自身が満たされてないうちは、本当の意味で他者のため、と考えられるタイミングはほとんどない。
自分自身が満たされていると、その溢れた余裕を他者のために与えることが出来る。

そこまで見据えて仕事するから面白いし、どれだけの角度でチャレンジしても、今世では足りない!と26歳の今から思うようになった。

二階堂さんほど中学生の頃から人生を見据えてチャレンジしてきてるか、というと、
足元にも及ばないくらい目先のことばかりを考えていた。

ただ、今からならもっと先を見据えることも出来るし、
長期的に見て最高の人生を描いて、今から全力を尽くすことも出来る。

より多くの素敵な方と本当の意味でレバレッジが効いた状態で最高の人生を送るべく、
まずは自分自身がやるべきことを全力でやり、目標を達成します。

皆様、素敵な1日をお過ごしください。

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