ループ併用時の使い方 [UDトーク®]
UDトークを使うような現場では、文字情報と共に
音声情報の補助(いわゆる補聴)についても
検討すべきケースが多々あります。
ここでは、実践をしようにも何から手を付けたら…という
ビギナーのために、情報をまとめておきます。
前提条件
この図では、ソナール社の携帯型ヒアリングループシステム
HS-60を使い、会場の音源を入力するケースを想定しています。
会場の音源から、要約筆記者のいる場所に音声を届けるための
「モニタSP」も置いてます。
これらは、前提条件に対する対応例なので、必要ないケースでは
設置する必要はありません。
設置解説
まず、会場にマイクなどがある場合は、そちらから音をとるのか、
ループのマイク入力(あるいは、ワイヤレス)をつかうのかを
検討する必要があります。
会場によっては、スピーカーシステムから音声出力が
出力できない構成になっているものがありますので、
その場合は、マイクなどの入力をヒアリングループシステムに
入力しておいて、出力(図で言う所のモニタSP)を
会場の音声入力に差し込むと良いでしょう。
特に、手話をつかう話者の場合は、手持ちマイクを減らして
ワイヤレスマイクを付けられるようにすることが求められるので
最初から考慮しておきましょうう。
HS-60は、マイク2系統、内臓ワイヤレス(最大2系統)、
外部入力1系統、出力1系統を備えています。
HS-60に入力を差し込んだら、まずはループが正常に
機能するように、音声をいれて、ボリュームを調整します。
LVモニタ(メーター)をみて、ピークが0db近辺になれば
まぁ、適切なレベルとみてよいかと思います。
ヒアリングループが正しく動くようになったら
今度は音声認識を考えます。
出力端子をそのまんま携帯電話に差し込んでも、
基本的には入力としては機能しません。
入力として機能するためには、変換機材が必要です。
今回図解しているものは iRig2 です。
これは音楽用ですが、一般的には音楽用に作ってあるものは
入力に関する音響的性能が優れているケースが多いです。
iRig にも種類があり、入力端子などによって
使う機器を変えることができます。
たとえば、入力がキャノンコネクタならば、
iRig Pre を使う手もあります。
ヒアリングループの出力端子は、
Φ6.3の標準ステレオプラグですので
iRig2 で問題ないかと思います。
iRig2のギターマークと、HS-60の外部出力を刺したら
iRig2についている端子をスマートフォンに差します。
(iRig2が対応している機材は、各自確認してください。
2016/1現在、
iPhone、iPad、iPod touch、Mac、Android対応だそうです。)
そのあと、UDトークを起動してください。
近くの接続先(トークルーム)に入るか、
「一人でつかう」をおしたあと、音声入力ボタンを押して
話してみて下さい。
うまくいけば、文字化されていくはずです。
あとは、要約筆記者やほかの場所で音声が必要だ、
ということなら、iRig2のイヤホンマークの端子
(Φ3.5のミニステレオプラグ)とスピーカーシステムを繋ぎます。
スピーカーは、安価なものだと白・赤のRCAプラグの入力だけで、
少し考慮されているものだと、Φ6.3の標準フォーンプラグや
他の入力端子があったりします。実物をみて適切なものを選びましょう。
すべてが揃ったら、音声入力をして
・出力音声が出る事
・文字が認識されること
・ヒアリングループが機能する事
を確認できれば、今回のモデルケースを準備できたことになります。
その他注意点
・ずっと使っていると、スマートフォンなどの電源が切れるので
電源補給をしっかりしておくといいと思います。
・トークスイッチがONじゃないと、スピーカーに
音声が出ませんので、確実にONにしておきましょう。
・うまくいかない時は、順をおって接続、確認しましょう。
展開情報
・情報支援を広めるため、講習会でこのページを印刷して使うなど
応用して頂いて構いません。
(なお、何かに引用する場合は出典を記入してください。)
開発したり研究したりするのに時間と費用がとてもかかるので、頂いたお気持ちはその費用に補填させていただきます。