東京の会社で働きながら、那須に引っ越した話③(なぜ那須に決めたの? 後編)
前回記事のおさらい:
・移住前に、何で移住するんだっけ?と深堀ってみる
・自分の場合は、家づくり、新しい経験づくり、まちづくり
・目的は時間軸とセットに考えてみるのがオススメ
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今回の記事では、僕らがなぜ移住先を那須に決めたのかについて書いていきたいと思います。那須も移住先候補になっている方が読んでくださっていたらぜひご連絡ください!
■都道府県魅力度ランキング最下位でも那須を選んだ
ニュース記事:知事、思わず「えっ」と大声…まさかの魅力度ランク最下位
...そうなのです。日光や那須といった観光地を抱える栃木県は、2020年の都道府県別魅力度ランキングで最下位を記録。日本で一番魅力が無い県になってしまいました。
(※2021年には6ptアップの41位へ。それでも低いわ..)
そんな、魅力の無い(?)栃木県へなぜ引っ越したのか。
栃木全体のことは分からないけど、少なくとも那須は、リモートで働く方にとって良いところだよ!と大きな声で伝えていきたいと思います。
1,土地が(魅力の割に)安い
みなさんは土地の坪単価と言われてパッとイメージがつくでしょうか。
僕はかれこれ10年弱不動産畑を歩んできているので、どうしてもまず気になる土地のお値段。
坪単価とは、1坪(約3.3㎡)あたりの金額のことで、不動産業界では㎡単価(1㎡あたりの金額)よりも坪単価で会話をすることが一般的です。
まず、東京の土地の金額から。
以前住んでいた世田谷区駒沢周辺では、販売されている土地の金額は260万円程度のようです。(suumo参照)
一方、那須塩原市の土地価格は坪5.6万円。今回僕が購入した那須塩原市青木という場所だと、平均坪単価は3万円を下回ります。
「地方行けば土地が安いの当たり前じゃん!」
というのは、その通りなのですが、表面的な金額というより、その地で得られる価値で比較した時にどちらのほうがお得に感じるか、という点を意識しました。
確かに、那須は東京ほど便利でも刺激的でも無いかもしれませんが、それでも、自然豊か・質の高い温泉がある・新幹線通っている・高速アクセスも良好、素敵なお店も沢山あることを考えると、移住の目的の1つに「家づくり」が入っていた僕ら家族にとっては、東京の1/100の金額で土地が買えるってめちゃくちゃお得じゃん!となりました。
大都市圏以外の土地は、その場所(エリア)が持つ魅力が土地の価格に反映されてない場合がありそう。その魅力と個人の価値観が合致するなら、とってもお得な気持ちで土地購入できます。
2,東京へのアクセスに困らない
東京の仕事を続けながら移住することはクリアしたいポイントだったので、アクセスは大事。
東京に行く時は基本的に新幹線通勤ですが、これが思いのほか快適です。
那須塩原〜東京駅までは60分程度。
E5系(いわゆる「はやぶさ」の名称で知られる緑の新幹線)の新幹線に乗るようにしているのですが、平日は空いているので隣に人は居ないし、コンセントがあるので気兼ねなく仕事ができます。
60分という時間も絶妙で、集中して作業するのにちょうどいい感じ。
僕が働いているオフィスは恵比須にあるので、東京→恵比須は山手線に乗ることになりますが、山手線もギリギリ座れるくらいの混み具合で、ここからは読書タイムに切り替えたりして時間を使えます。
予算に余裕がある時に渋谷方面にアクセスする場合は、
・那須塩原→(新幹線)→大宮→(湘南新宿線)→渋谷
がオススメ。 湘南新宿線のグリーン車を使えば、ずっと快適にPCを広げて仕事出来ます。
ただし、本数は少ないので注意が必要。
那須塩原→東京方面の新幹線は、AM6時台が5本、7時台が4本なので、このくらいまでは許容範囲内かと思いますが、8時台は2本、それ以降は1時間1本。乗り遅れたら絶望 of 絶望です。
3,もっと面白くなりそうな余白のあるまち
冒頭の通り、2020年の都道府県魅力度ランキング最下位の栃木県ですが、少なくとも那須周辺には魅力溢れる人が沢山居そうです。
すくなくとも移住前から知っていて、こういう人たちが居るまちならこれからもっと楽しくなりそうだ、と思った方々をご紹介。もちろんもっと沢山の魅力的な人がたくさんいるはず。これからの新しい出会いにワクワクしています。
・菊地省三さん(1988 CAFÉ SHOZO)
カフェを巡って全国を旅した経験から、1988年に地元黒磯でオープンした、CAFE SHOZO。今では福島や東京の表参道にも店舗を構えています。
CAFE SHOZOについて面白いところは、店舗がある通りに、系列の古着屋やアンティーク家具屋もオープン。人が集まり、通りとなり、その後同じ通りに次々と新しいお店が出来始めたことです。
・宮本吾一さん(Chus、バターのいとこ)
高校卒業後、1年間オーストラリアで暮らす。その後、縁あって那須へ移住。2003年にリアカーを屋台に仕立てた「リアカーコーヒーUNICO」を開業し、2005年にはハンバーガー専門店「HamburgerCafeUNICO」にリニューアル。2010年に地元農家の協力のもと「那須朝市」をスタートし、2014年にマルシェ・レストラン・宿泊施設を兼ね揃えた「Chus(チャウス)」をオープン。
2018年には地元の生産者とタッグを組んで、那須の新たなお土産「バターのいとこ」を開発し、売り切れ続出の人気お菓子に成長させています。
最近、黒磯の魅力を伝えるための書籍出版のためにクラウドファンディングに挑戦されてます。もちろん我が家でも応援!
・紗栄子さん(Nasu Farm Village)、濱渦伸次さん(not a hotel)
2020年から牧場を経営している、モデルでタレントの紗栄子さん。元々プライベートで乗馬をするために訪れていたものの、経営者の交代によって牧場そのものの存続が危ういと知って、自ら牧場オーナーになり、Nasu Farm Villageとして復活させました。
コンセプトは、”馬を守るための事業”を通して保護馬が新たに輝ける場所を提供すること。競走馬や競技馬として活躍した馬たちのセカンドライフを穏やかに過ごせるような場所にするという想いでこの牧場を運営されています。
入場は無料で、牧場内では乗馬体験を行うことも出来ます。併設のカフェではお弁当の販売もあるのですが、色鮮やかで目にも楽しいし、味も美味しい! こどもとゴロゴロするだけでも気持ちの良い場所です。
また、2021年9月には、Nasu Farm Villageを望む場所にNOT A HOTEL NASUの販売が開始されました。
「住めるホテル」をコンセプトにしたこのホテルは、建築的な魅力もさることながら、オンラインで家を買う体験、スマホ1タップで家とホテルを切り替えられる体験など、オンラインをベースとした住まいに関わる新しい体験をユーザーに提供している点で、とても話題を集めているサービスです。
4,その他(補助金、災害リスク)
那須に限った話ではありませんが、複数の行政で移住支援を目的とした補助金を出しているので、目当ての地域の情報は必ずチェックしましょう。
那須の場合は、
・1年間、家賃の一部(最大2.5万円/月)を補助
・最大100万円の支援金を支給
などの支援があります。
ただでさえ家賃安いのに、有り難い...!(その分ちゃんと税金収めます)
また、最近では土砂崩れの事件などもあったように、災害に対するリスクもしっかりと確認するようにしました。
山間部では土砂崩れやがけ崩れ、海側では津波、川が近ければ洪水リスクなどを抑えておくと安心だと思います。
ちなみに那須は那須岳が活火山なので、ここが仮に噴火したら火山灰まみれです。今から600年以上前にはマグマを伴う噴火があったようですが、現在は穏やかで、たまに微弱な火山活動が発生するようです。
■まとめ
移住先に模範解答はありません。どういったポイントを好きになるか、お得と感じるか、は人によって異なるためです。
それでも、自分のライフスタイルの中に正解は隠れているはずなので、移住を検討されている方はぜひそれを探してみてください。
また、僕自身、まだまだ那須について知らないことばかりなので、この記事を読んでくださっている中で那須に縁のある方はぜひご連絡ください! もしくは那須に遊びに行こうと思うんだけど。という方もご連絡を!一緒に遊びましょう◎
■この先書いていきたいこと
今回は移住先を那須に決めるまでのプロセスについてざっくりお話ししました。
今後は以下のようなことも綴っていきたいと思います。
・那須での家・土地探しの話
・東京の持ち家を売却した時の話
・移住にあたっての会社(や、上司)の反応
・子供への影響
・地方での暮らしは経済的にメリットあるか
・家づくりで大変なこと
・・・
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