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読書日記

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読書記録をまとめました。
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#韓国文学

延長があるような小説ーーキム・ジュンヒョク著『楽器たちの図書館』を読んで

 キム・ジュンヒョク著 波田野節子・吉原育子訳 クオン 2011年出版  クオンという出版社…

森マリアンヌ
4か月前
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【読書感想】貧困層の人たちの描写ーーキム・ヘジン著『中央駅』を読んで

キム・ヘジン著 生田美保訳 彩流社 2019年出版  地元の図書館の韓国文学のコーナーにあっ…

森マリアンヌ
10か月前
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【読書感想】現代社会におけるルッキズムーーパク・ミンギュ著『亡き王女のためのパヴ…

パク・ミンギュ著 中川美津帆ほか訳 クオン社 2015年出版  パク・ミンギュという作家が書…

森マリアンヌ
10か月前
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【読書感想】SFという言葉の範囲に収まらないーーチョン・セラン著『声をあげます』を…

チョン・セラン著 斎藤真理子訳 亜紀書房 2021年出版  図書館の棚見てたらあって、タイト…

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【読書感想】少子化が問題になった小説ーーイ・ヒヨン著『ペイント』を読んで

イ・ヒヨン著 小山内園子訳 イースト・プレス 2021年出版  図書館に行くと、韓国文学のコ…

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【読書感想】韓国文学の文体ークォン・ヨソン著『まだまだという言葉』を読んで

クォン・ヨソン著 斎藤真理子訳 河出書房新社 2021年出版  韓国の短編集。期間制教師の話…

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『サハマンション』チョ・ナムジュ著を読んで

チョ・ナムジュ著 斎藤真理子訳 筑摩書房 2021年出版  格差社会の最底辺で暮らす人々が住むサハマンション。そこで暮らす人々のことが描かれている。ここまで住むところで格差社会が表れてしまっているのは現代の韓国らしい問題だと思うし、MERSという呼吸器症候群と思われる病気にかかって、政府の実験台にされる人が出てくるのも、現代韓国の社会的問題をはらんでいる。  サハマンションに住む人の人間関係と事件が描かれている。どの住民も訳ありなのだが、最後になって、政府との葛藤が見えな