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10回ピボットを経て辿り着いた「パーソナライズド・マネジメント」。答えのカギは「ナッジ」にあった。

ハイマネージャーCEOの森謙吾(@kengo_himanager)です。

(このnoteは、2019年に立ち上げたサービスAdvent Calenderの1つとして書かせて頂いています)

私たちハイマネージャーは、組織の心理的安全性・エンゲージメント向上をサポートするパーソナライズド・マネジメントサービス「HiManager」を提供しています。

「パーソナライズド・マネジメントとは何か?」という話は記事の後半でお話しします!)

10回のピボットにより「しくじり先生」になる


2018年7月に、PwCを卒業してハイマネージャーを創業。起業家&投資家の二刀流で著名な柴田泰成さんと創業しました。

しかし、初期のうちはえぐっていましたね。
今のサービスの形にたどり着くまでに、10回ピボットをしました。

「HRテック領域で、短期間で何度もピボットしちゃった先生」として呼ばれたことも…笑

①ピアボーナス

②体験型ピアボーナス

③ピアボーナスのマーケットプレイス

④ブロックチェーンピアボーナス

⑤エンプロイーエクスペリエンス・アセスメント

⑥統合型サービス(エンゲージメント+1on1+ピアボーナス)

⑦Yearbook(ピアボーナスを紙にした版)

⑧フィードフォワード

⑨心理的安全性・エンゲージメント向上にコミット

⑩パフォーマンス・マネジメント

完全にさまよってますね。笑

最初はピアボーナスやEXなど、狭い領域のサービスを考えていたのですが、より統合的な

パフォーマンス・マネジメント(OKR+CFR)をサポートし、心理的安全性・エンゲージメント向上にコミット

というコンセプトを固めることができました。

※CFRとは、以下の3つの頭文字を取ったものです。
Conversation=1on1・対話
Feedback=フィードバック
Recognition=称賛

そして昨年末にやっとの思いで、サービスのβ版をリリース。その時の気持ちも書き残しています。

3月までは、無料トライアル期間で、20社くらいの方がトライアルを受けてくださいました。(この時期は本当に大変でした)

それでも「このサービスいいね」と多くの方に言っていただき、「ニーズはあるな」と感じることができました。

サービス有料化 & COO五十嵐誕生

ニーズが見えてきて、サービスを有料化できるようになったのが4月頃。

カスタマーサクセスの体制も整え、クライアントさんに継続的にサービスを使っていただく体制を整えることができました。

クライアントさんからも

『一緒に組織を良くしていくパートナー』がいると心強く感じる
『ヒト×ソフトウェア』での手厚いサポートがありがたい

という声を頂いています。嬉しいです。
(そんなクライアントインタビューはこちら)

そして、7月の頭にPwCの同僚だった五十嵐未来さんがCOOとしてジョイン。そこから二人三脚で、ここまで走ってきました。

「人事×データ分析」のプロである五十嵐さんがフルコミットしてくれたことで、組織として成長が加速しました。(最近Twitterも頑張っているみたいです!)

NewsPicks掲載 & 勉強会で生の知見を共有

8月には「スタートアップのリアルを伝える」を掲げているamiさんにインタビューをしていただきました。

OKRとCFR(Conversation=対話、Feedback=フィードバック、Recognition=称賛)を組み合わせたマネジメント手法である「パフォーマンス・マネジメント」についてお話させて頂きました。

NewsPicksさんにも取り上げて頂きました。

少しずつ、会社の社会的認知が広がってきた感覚を持ち始めたのが、この頃です。

そして、OKR / CFR / 1on1の勉強会を初開催。

「OKR+CFR」は日本に入ってきたばかりの概念です。なのでなんとなく取り入れて形骸化するケースが多い。

だからこそ、現場で生みだされた知見は貴重だと、改めて感じました。

(5人のスピーカーをお招きしたのですが、1番反響があったレポートがこちらです)

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HR Tech Conferenceに参加…そして大きな決断。

10月には、ラスベガスで開催されたHRテックカンファレンスに参加。このカンファレンスはアメリカのHRの最先端トレンドを共有する場です。

カンファレンスで学んだことは、エンゲージメントを可視化したりOKR管理をするだけでは価値がなく、

「蓄積されたデータをいかに活用していくのか」

が肝であるということ。

エンゲージメント可視化や、単なるマネジメント管理サービスだけでは、会社を良くすることができないと感じていた自分にとって、大きなヒントになりました。

(カンファレンスのレポートは、Twitterを始めて数日だったのにも関わらず5000人以上の方に見て頂きました…驚きでした。ありがとうございます。)

このカンファレンスを経て、大きな決断をしました。

それは、HiManagerの中心機能を「ナッジ」機能に据えたことです。

「ナッジ」とは行動経済学の概念です。HiManagerでは、

「部下をマネジメントする際の、マネージャーに対するアクションレコメンド」

という意味合いで使っています。

マネジメント(※)をしている際に生まれる様々なデータ(目標進捗、エンゲージメント、称賛の数、性格診断の結果...など)を統合的に分析して、最適なマネジメントのアクションをおすすめします。

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「ナッジ」
=部下をマネジメントする際のマネージャーに対するアクションレコメンド

これによって、部下1人ひとりに合ったマネジメントのアプローチを知ることができます。

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ナッジはこんな形で送られてきます
(簡単な例ですが…)

単発のワークショップだけではマネージャーが育たない

この「ナッジ」機能は、マネージャー育成の文脈で評価いただくことが多いです。

ハイマネージャーでも、目標設定(MBO / OKR)や1on1、タイプ別のフィードバック、褒め方等のワークショップをクライアントに提供して、マネージャーの変化を支援してきました。

しかし、単発のワークショップだけでは、"継続的に" マネージャーに変化を起こす事は難しい。

もっと高頻度かつ日常的で、さりげなくマネージャーの意識や行動が変わる仕組みが必要だと感じていました。

そんな時にカンファレンスに参加。管理するだけのツールではなくて、蓄積されたデータを基に示唆やアクションをレコメンドしていく、つまり「ナッジ」を届けていくことが、マネージャー育成に求められるのではないかと感じました。

「パーソナライズド・マネジメント」へ

もう、マネジメントの在り方が変わっていかなければいけません。

マネージャーが変わることが、エンゲージメント・EX(Employee Experience)向上には、不可欠です。Employee Experienceの90%はマネージャーによって決まるという研究もあるほど。

マネージャー育成は、企業の根幹を成す経営課題なのです。

これまで主流であった、組織のヒエラルキーの中で権力や地位を使って行われるパワーマネジメントでは、マネジメントの効率性と引き換えに、1人ひとりの人間的な部分は切り捨てられてしまいます。

それによって、うつ病の常態化やエンゲージメントの低下が起きているのは周知の事実。

従来のトップダウン型のマネジメントから、ピープルマネジメント(エンゲージメント向上や成長の支援等)を重視したマネジメントに変わっていく必要があります。

ピープルマネジメントを向上させるということは、それはつまり、

マネージャーがメンバー1人ひとりと向き合い、寄り添い、その人に合ったマネジメントを行うこと

に他なりません。つまり、

「パーソナライズド・マネジメント」(=1人ひとりに合ったマネジメント)

が求められているのです。

そのようなマネージャーの必要性は、もう何年も前から叫ばれています。

しかし、経営層にマネージャーを育成する知見がなかったり、マネジャー育成に割くリソースがない…という課題がある。

「ナッジ」が、その課題の解決策になると信じています。

ナッジによって、マネージャーが部下1人ひとりの理解を深め、自分のマネジメントスタイルを振り返る機会を継続的に届け、マネージャーの成長を促していく。

そしてその先に、「パーソナライズド・マネジメントの実現」を目指していきたい。

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「パーソナライズド・マネジメント」の先に、ハイマネージャーが目指すもの

ここまで、2019年を振り返りました。
ここからは、HiManagerこれから目指していくものについて。

ハイマネージャーはこのようにMission・Visionを言語化しています。

<Mission(つくりたい未来)>
すべての人が一人で悩みを溜め込まず、気軽に悩みを吐き出すことができるようにすることで、楽になる
<Vision(私たちのあるべき姿)>
世界で最も関係の質を向上させている企業

僕自身が、中高時代に人間関係に悩んでいた時期がありました。その時にカウンセラーに悩みを聞いてもらい、救われました。

その経験から「悩みを吐き出せる、相談できる存在」をつくりたいと、強く思っています。

そのことについては、以下のインタビュー記事でお話しています。

オンラインカウンセリング事業にチャレンジしたこともありました。ですが、カウンセリングへのハードルが高かったり、そもそも問題が生まれている原因は解決されないまま。本質的な解決にはならないと感じました。

そこで、「会社」に対して直接アプローチできないか…と。

会社が、悩みを吐き出せたり、居場所を感じられる場所になって欲しい。

そのために「パーソナライズド・マネジメント」を実現が必要だと思っています。

2020年から、サービスのスケールを本格的にスタートしていきます!

そして、年明けに新サービスLPをリリース予定です!!
(この記事のサムネイルは、新LPで使われるものです!笑)

最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
想いに共感して頂いた方、是非ご一緒したいです!!

Twitterでは、マネジメントに関することをつぶやいています。是非フォローしてください!

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