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森の本屋

"森んち"はシェアハウス"森ハウス"となり、モリの本棚は"森の本屋"になった。

 

家主・モリは持ち寄り制の飲み会を月イチくらいで開いた。会場は「森んち」。うん、森が住んでる家だもんね。
そっか、じゃあ洋館は「アキ邸」でもいいのか。私が住んでる家だから。
私が行き場をなくして困ってたら、モリが借りて住まわせてくれた家。だから「アキさんちは、、」と言われるたび「"アキさんち"じゃないよ」と否定していた。でもそっか、うん、"アキ邸"、いいね。

モリの蔵書は思ったよりも少なかった、私が住み始めた当初は。それでも200冊くらいはあったように思う。
その頃は廊下のカラーボックスに入っていたのだが、徐々にあふれ出した。本を読む住人が増えたから共有しようと考え、自室に置いてあった分も廊下に出したのかもしれない。
あと、この1年はとにかく買っていた。じゃんじゃか買ってた。そのときにはすでに本屋を始めようと考えていたのだろうか。

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私はモリが住む本宅から徒歩1分の"アキ邸"にひとりで住んでいる。だからモリの動向についてあまり詳しくない。
気づいたら、モリは本屋を始めていた。
本宅の廊下にあった本棚から本がなくなり、値札がついて並んでいた。前はただで自由に借りられた本が買わないと読めないなんて。そんな…。

本宅横にあった小屋があれよあれよという間に、本屋さんらしくなっていく。本宅の廊下の延長のような空間だったのに、森ハウス内にあるあれやこれやが持ち込まれ、訪れるたびに変化している。
そして、小屋は"森の本屋"になった。

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モリが合格し、留学が決まったとき、「本屋の店番したい」とモリに告げた。
私はお惣菜屋さん兼物書きになりたい。そしてお惣菜屋さんの近くに本屋さん兼フリースペースを持ちたい。
お惣菜を買ってもらい、フリースペースに移動して食べてもらう。そこには真ん中に大きなテーブルがある。壁際は本棚で、売り物の本が並ぶ一角に「みんなの図書館さんかく」のような「一箱本棚オーナー制度」を設けて、本を通じて見知らぬ人同士がつながれるようにしたい。
お惣菜屋さんが休みのときは、私はそこで書きものをする。夜には間借りのバーとなり、おいしい焼酎やアルケミエを飲みつつ、人の話を聞きつつすごす。そして書く。

そんなことも考えていたので、本屋というのがどういうものか知っておきたいと思ったのが理由のひとつ。
もうひとつは、大好きなモリがどんな本を選んだのか、選ぶのか、本を通じてモリをもっと知りたいと思ったから。
"森の本屋"の本は、私が店番をしたとしても、店主・森一貴が選書する。そう、いつまでかはわからないけれど、この先もモリが選んだ本が並ぶ。モリが今、なにに興味を抱いているのか。どこを向いているのか。届く本を見れば知ることができる。(モリはいないのに、すでに本が届いている)

そんなこんなを考えながら、私は"森の本屋"の店番を始めます。
モリなきあと、しばらく休眠してましたが、9月から営業再開です。モリがやっていたとき同様、不定期になりそうですが、なるべく開けたいと思っています。
ただし、基本、夜の営業。しかも数時間だけ。
まだ確定ではないですが、日月・水木の20~23時と考えています。あと、私がバイト休みのときは、平日週末の日中も開けるつもり。たぶん。なんとか。
"森の本屋"のファンの方、森一貴のファンの方、河和田で本屋を探してる方、いらしてください。あと、私は人の話を聞くのが好きなので、誰かと話したい方もいらしてくださいまし。
明日1日、あさって2日、20時からのオープンです。

森の本屋(@mori__books)

  

  

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