森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】夜は短し歩けよ乙女の巻

東京と京都の遠距離恋愛に耐えかねたわたしが京都へ移住した話。

学生時代から交際していた歳上のパートナーは、吉田山の麓にある某国立大学に在籍していた。

そんなパートナーに誘われて訪れた学園祭。
ステージでもないところで開催されるロックバンドのライブ演奏を眺め、
学生寮に暮らすというクジャクに小銭を払って餌をやり、
アーチェリー部のブースでは知らなかった自分の才能に気づき、
落語研究会が主催する大喜利大会に飛び入りで参加し、
ゲリラ的に開催される路上漫才に腹を抱え、
像の尻を撫で、
転がる達磨を拾い、
逃げ回るこたつを追いかけていた。
陶芸サークルの露店では、のちに廻窯社の代表となるT氏から器を購入した。
今でも毎日、コーヒーを飲むのに使っている。

ある夏には下鴨古本市へ出向いた。
その帰り、鴨川デルタで足を水に浸すつもりが躓いて転んで本を浸水させた。
古本市の神様もさぞかしお怒りのことだろう。
あの本は、件のパートナーの家に置き忘れている。

話は進んで、劇場版「夜は短し歩けよ乙女」が公開されたころ。
御池の界隈で開催されたイベントで同い年の友人ができた。
今回のシリーズでは特に深堀するつもりはないが、F氏という友人である。
F氏は、「夜は短し歩けよ乙女」のスマホケースを使っており、ロックバンドのアジアンカンフージェネレーションが好きとか、
イラストレーターの中村佑介氏が好きとか、
そういう話で意気投合した。

後日、F氏と二人でバームーンウォークへ訪れた。
と言っても、夜は短し歩けよ乙女に登場する店舗は満席だったため、三条木屋町の店舗だったけれど。
酒が一滴も飲めないF氏と、浴びるほど飲みたいもりひろ。
わたしが浴びるようにして酒を仰ぎ、限定コースターを入手していったのだけれど、最後の一枚がそろわなかった。
残念がっている我々に、店員さんはちょっとスペシャルなサービスをしてくれた。
今でも大事に保管しています、サンキュー、ロン毛メガネ店員さん。

ちなみに、F氏とはその後も音楽フェスや中村佑介氏のサイン会、祭りやら登山やら、いろいろと仲良くさせてもらった。

こうして出会ったのも、何かのご縁。

次回、『森見登美彦氏とわたし【聖地に住む編】有頂天家族の巻』


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