部活のキャプテンの決め方が一発で解決するかもしれない話

2023年12月2日 19:06

おつかれさまです！森永です。
高校バドミントン部で外部コーチをしています。

必ず訪れる、部活の代替わり。次期キャプテンをどんな決め方で選べばいいか悩みますよね。

決め方は、主にこんな感じでしょうか？

このなかでおすすめしたいのは「引退する3年生たちに決めさせる」。

キャプテン任命式に立ち会い、3年生から話も聞いて、「部員たちがキャプテンを決めるって、こんなにも素晴らしいことなんだな……！」と感動したからです。

どうしてそう思ったのか、当時のことを思い返しながらお伝えします！

【前提】キャプテン決めのルールと流れ

僕が手伝わせていただいている部活では、引退する3年生全員で次期キャプテンを決めます。顧問の方針です。

原則、顧問やコーチは決定に関与しません。少なくとも僕は関与していません。

ただし、3年生たちにはあらかじめ顧問から「具体的な理由をもってキャプテンを決めなさい」というような決めごとは伝えられています。

今年は、高校総体が終わったその日のミーティングで、次期キャプテンを選ぶよう3年生に伝えられたようです。

後日の部活で、引退および次期キャプテンの任命という流れになりました。

3年生たちがキャプテンとして任命したのは、指導者陣が「へぇー！」と言ってしまうような、意外な部員でした。

2年生には、この世代のお姉さん的な存在がいます。先輩や指導者陣とも、ちゃんとコミュニケーションをとれる子です。

もし、僕たち指導者がキャプテンを決めるとしたら、ほぼ間違いなくこの子を選びたくなりますよね？

さらに言えば、次期キャプテンに任命された部員は休みが多くて、どちらかと言うと不真面目に見えるタイプ。

「お菓子を食べていたら遅刻しました」とか言うやつです＼(^o^)／笑

それでもキャプテンに選ばれるということは、ともに時間を過ごしてきた3年生にしかわからない部分があるのでしょう。

後日、引退した3年生から、次期キャプテンを決めたときの様子と、任命した理由を教えてもらいました。

納得の理由でしたし、選考までのプロセスも、3年生たちの成長を感じる内容でした。

まず、3年生全員が「この子がいいんじゃないか」と2年生の名前を挙げて、みんなであーだこーだ話し合います。

そのうえで多数決をとったら、意外なメンバー（次期キャプテンに選ばれた部員）に過半数の票が集まり、「いやいや、ちょっと待って！」と困惑したんだそうです。

3年生たちは、改めて議論します。

「○○だと、困ってもひとりで抱え込みそうじゃん？」
「××は〜〜」

などなど、選んだ理由を再度話し合いました。

2年生たちの個性だけではなく、関係性や指導者陣との相性も考慮して、キャプテンとしてどう立ちまわってくれそうか、イメージを共有していったんだそうです。

改めて多数決をとったら、やっぱり意外なメンバーが過半数の票を集めて、今回の決定になったとのことでした。

「みんなこんなに議論できるんだ！」と驚きました。任命した理由も筋がしっかり通っていて、「ほえー」と感心したものです（具体的な内容は書けません！）。

仲間とコミュニケーションをとって、課題を解決したこの経験は、彼女たちのこの先の人生できっと役立つと思います。

引退の日。部員も顧問も混ざってバドミントンをわいわい楽しんだあと、最後のミーティングで次期キャプテンが発表されました。

選ばれた2年生が前に出て、涙をこらえながら、途切れ途切れにあいさつします。

もらい泣きする3年生もいて、「なんて素敵な時間なんだ……」と、人知れずほっこりしていたのでした。

次期キャプテンに任命された2年生が涙した理由はわかりません。

その場の雰囲気に感動したのかもしれないし、3年生の引退をいよいよ実感して寂しくなったのかもしれない。

ただ、僕には少なくとも、キャプテンに任命されて不満を感じているようには見えませんでした。

涙を拭きながら「がんばります」と挨拶する姿には、その言葉どおり前向きな覚悟が感じ取れました。

部活はあくまでも教育の一環で、目的は「部活を通して人として成長する」こと。

次期キャプテンを決めるために仲間と踏んだプロセスや、その結果を発表したキャプテン任命式の思い出、信頼する3年生に次期キャプテンとして任命されたという事実。

こういった特別な経験が、部員たちが大人になっていくうえでとても大切なんだろうなって思いました。

キャプテンの決め方に悩んでいる顧問や外部コーチの方は、引退する3年生に選ばせることも検討してみてはいかがでしょうか？

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？