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マトリックス レザレクションズ観たよ:ウン十年振りの続編は優しい世界と愛を添えて

生存報告も兼ねてとりまの感想や思ったことをツラツラと。

さて、マトリックスといえばあの映画界に伝説とアクションのテンプレ(?)を作ったすごい三部作(とアニメの外伝といくつかのゲーム)ですね。ぶっちゃけあたしゃニアミスでマトリックス世代じゃないです。自分は上映当時はただのアホの卵でした。じゃあアホの卵から孵化したあとは観た?ってなるとそりゃ観ましたよ映画の三部作を全部。先週ね。
だからまぁ、そんなわけでそこまで革新な感じはリアルタイム世代ほど感じませんでしたしあくまで歴史を語る資料として落ち着いた視点で観てました。もちろん、映画としての出来は凄まじいし今の映画の基礎を作っただけあっておーってなることもありましたわ。でもやっぱ昨今のCGよりすごい実写アクションや同じくキアヌが出て殺すジョン・ウィックシリーズなどと比べてしまう自分が居て、どうにも新鮮な気分で観るということが出来なかった。
しかしだ、キリスト教の聖書モチーフにした救世主の物語や電脳世界を扱って真実とどう立ち向かうかとか選択と行動の意味とかぶっちゃけアクションよりそこの物語の要素に惹かれてた。まぁそれでも一回観たきりだから三割程度しか理解出来てないけど。

そういうわけでマトリックスに対しては歴史を変えた作品ということは理解してても思い入れがあるわけでもないのでレザレクションズへの期待は終始フラットな状態でした。ただ、レボリューションズの後っていうのならあれでどうその後の物語を作るのか全然予想できんかった。
今は(ソニーの日本担当のクソ阿呆ッタレのせいで本国と数週間遅れて公開になった)スパイダーマン新作へのネタバレ対策でYouTube を閲覧してないんだけどさ、まぁスパイダーマンはこっちの期待通りで斜め上の出来のサプライズをかましてくるんでどこからパンチが飛んでくるのか予想できるんでガードをすべき場所を察せられるよ。しかしだ、このマトリックス新作に関しては何処からパンチが飛んでくるのか全然わからねぇ。なのでそういう読めない展開にはけっこう期待してたのよ。はい、ここからネタバレ注意ね。

じゃあ、肝心のそのマトリックス レザレクションズはどうだった?
んまぁ、そう……俺は好きだけどさ。
ぶっちゃけかなりしょぼい。続編というよりボーナスコンテンツの後日譚な内容でした。しかしだ、それを弁えてなのかシリーズに思い入れあるファンには優しい世界な物語だった。
『あの大作シリーズのウン十年ぶりの続編!』って作品ってだいたいその旧作シリーズの努力が台無しになるって物語になるじゃん?お前のことだよ、スターウォーズの続三部作とターミネーター ニューフェイト。あの人気キャラをその新作で殺したわりにその程度かよってことが多いじゃん?でもこのレザレクションズはだ、その努力はちゃんと未来に結びついてちゃんとより良い世界を作れてますよって世界観になってるんです。だから旧モーフィアスが死んでる設定だけどちゃんと新しい世界を作ったシンボルとして像まで立ってるしナイオビとかの生存してるやつらもちゃんと後続に道を示したり成長してるよって。そういう優しい世界が作られてた。
しかしその分、スケールダウンというか今作の動乱はネオとトリニティ個人の戦いになっている。そこが良い悪いというよりなんだか小説とかコミックスで描くだけで十分ってなりそうなスケールだなって思えた。その個人的な戦いが今作に重要な愛は地球を救う的なテーマになっていてそこは好感が持てた。
しかし、その割に導入部や世界観が明らかになる直前がけっこうメタな内容になっていて旧作の映像をわざわざ使ったり再現して、ネオのデジャヴュと視聴者を共感させてまさに「これからなに見せられるんだ?」ってかなり不思議な気分になれる導入部だっただけに、種明かしや着地点がショボいのが残念だよね。というよりそのパートはなんだか製作の舞台裏と内輪ネタを見せられているようで自虐をしたいのかなって作品外の事情を見せて茶化すっていう風にも見える。そこが勘に触る人がけっこう居そうなのが怖いのだ。というかこれがまさかポストクレジットの映像に絡むってのが一番の衝撃だわ。しょうもないネタだし。
新キャラは、まぁ特になんか言うことはないかな。「伝説を作ったあの世代や作品に憧れてこの世界に入ったんだよ」とか旧作のオマージュしたり茶化したりは予測の範疇だし既にいろんな作品がやってんじゃん。でもちゃんと前世代が頑張って作った世界があってこそ、その世代へのリスペクトからのあんたについて行くぜは良い展開よね。
スミスはそもまま前作のスミスでネオ側との利害の一致な展開は良かった。二次創作が捗るであの展開ややりとりは。でもあの後スミスはどうなるんだ?
アクションはまぁ、みんな言ってるようにしょっぱいしあの頃のマトリックスは何処にって感想も見られたけど、やっぱ自分がリアルタイムの世代じゃないからかそこはあんま期待してなかった。今あのマトリックスのアクションやっても絶対古臭いだろって目に見えてたし新しい表現もたぶんないだろうなって失礼ながら決めつけてた。実際その通りだけどさ。バレットタイムへの茶化しはまぁ、他のSFや超人アクションでやってそう。というかまんまジョジョのザ・ワールドなんでは?
つーか、キアヌの本気はすでにジョン・ウィックで見てるからCGでキアヌがアクションしてても見劣りするとしか思えないんだわ。いやまぁ、旧作でもカンフーやってたからその時点でめっちゃすごいけど今の基準だとね。目が肥えちゃった。
本編の終盤、まさに愛は地球を救うを地で行ってて好きよ。「マトリックスの中に引きこもりたいやつはいっぱい居るんだからなにやっても無駄やぞ。虹でも撒いとけ」→「いいね、じゃあ虹撒くわ」と締める二人はまさにシンプルながら今の時代に必要なことで良かった(小並感)。そういえばこの前やってた同じくキアヌ主演のビルとテッドも同じテーマやってなかったっけ?良いぜ、こういう時代になってきてんだよ。

まぁこんなところかな。最近はこういう前作までの戦いを無下にする新作が多かっただけにこういう優しい世界な後日譚はあんま拝めなかったのでレザレクションズで描かれたその後の世界はほんと安心した。
吹替版で見たけどそのまま前作キャストは継続で最近はもうめったに見れない聞けない小山力也ボイスのキアヌを劇場で観れる機会なのでおすすめ。中村悠一ボイスのスミスも今作のスミスに合ってて良いし。あと最近は恒例になってきてる諏訪部順一ボイスのイケメン黒人も見れるし。
あとはそうね、ポストクレジットの映像はマジで困惑というか監督の今作へのスタンスが肩肘張らず本当に気楽に作ってたのかなって感じ取れてそこもなんだか安心感が。キレるひとは多そうだけど。

以上です。終わりです。散れ!

余談:映画館にジョニー・シルバーハンドのフィギュア置いてあった。同じキアヌでSFだからね

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