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経済産業省のデジタル産業戦略が面白い(1)

 今年に入り、経済産業省から様々なデジタル産業戦略に関する施策が出てきています。その中でも、2021年に設置・検討が始まり、2023年に策定された「半導体・デジタル産業戦略検討会議」の資料がとても面白い。こちらは今後の日本の半導体・デジタル産業政策の方向性が記されており、今世の中に出てきている関連ニュースはこんな戦略が根幹にあり、とても勉強になります。

 今回はその公開資料の中から、個人的基準でアツいと思われるページを厳選ピックアップしてみました。

その1:2023年5月30日 半導体・デジタル産業戦略(改定案) 16ページ・35ページ

 昨年5月に取りまとめられた資料ですが、コンピューターサービスの貿易収支が指数関数的な勢いで赤字になると予測されてます。この資料が公開された後、各所でデジタル貿易赤字について言及された記事も出ていましたが、確かに現在日本の石油貿易赤字よりも将来的にこちらの方が大きくなるというのは大変な事です。

2023年5月30日 半導体・デジタル産業戦略(改定案) 16ページ
(第9回 半導体・デジタル産業戦略検討会議資料抜粋)
2023年5月30日 半導体・デジタル産業戦略(改定案) 35ページ
(第9回 半導体・デジタル産業戦略検討会議資料抜粋)

その2:2023年5月30日 半導体・デジタル産業戦略(改定案)
33ページ

 「デジタル競争の敗者」、「低位安定」という刺激的なキーワードが並んでおりとても興味深いです。こちらは2022年頃から検討会議資料の中で問題提起されていましたが、2023年に取りまとめられた戦略資料にも記載されていました。ここまでバッサリ書かれる事は珍しいかも。

2023年5月30日 半導体・デジタル産業戦略(改定案)33ページ
(第9回 半導体・デジタル産業戦略検討会議資料抜粋)

その3:2024年5月31日 半導体・デジタル産業戦略 82ページ

 上の資料の丁度1年後、つい最近公開された最新版では生成AI等の動向も内容になってます。この大変革の中「各レイヤーで市場ニーズを捉えられれば、競争力を確保できるチャンス」との事。ポジティブな論調ではありますが、下の表ではしれっとデジタル貿易赤字がモリモリ拡大しており、現実は依然厳しいという事が伝わってきます。

2024年5月31日 半導体・デジタル産業戦略 82ページ
(第11回 半導体・デジタル産業戦略検討会議資料抜粋)

むすび

 危機感ヒシヒシですね。知らんけど。

 真面目に全体像を把握したり、理解を深めるにはこの記事だけでは全く役に立たないと思われますので、下に関連するリンクをご紹介させて頂き今回はこの辺で終わらせて頂きます。

経済産業省 - ものづくり/情報/流通 - 情報化・情報産業 - 半導体・デジタル産業戦略検討会議

JIPDECレポート - 令和6年度 経済産業省デジタル関連施策について



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