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文化人類学・民俗学・経済人類学

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主に自分が書いたブログから転載、編集した文章です。 伝統文化、異文化には興味がありますが、文化人類学の理論にはまったく興味がありません。
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#狩猟文化

狩猟文化の信仰とコスモロジー

「シャーマンと伝統文化の智恵の道」で書いた文章を少し加筆して転載します。 農業や牧畜が発明される以前の後期旧石器時代の現生人類の文化は、狩猟・採集・漁撈文化(以下、狩猟文化)でした。 この文化は、現在まで、一部の地域で生き残っていますし、その宗教的影響は各所に大きく残っています。 このページでは、典型的・原型的な「狩猟文化」のコスモロジーを、「農耕文化」(下記ページ参照)と対比してモデル化します。 狩猟文化は、「遊動」から「定住」へと移行して大きく変化しましたが、両方を

狩猟文化と農耕文化の思想の違い

「シャーマンと伝統文化の智恵の道」に書いた文章を転載します。 伝統的な狩猟文化は、あるがままの自然の創造性を尊重し、その恩恵を正しく受容しようとする思想を持っています。 あるがままの自然とは、自然(冥界)の贈物としての食料となる動物です。 これは、心の内側においては、潜在意識(冥界)から現れる心の動きの受容として現れます。 この思想は、高等シャーマニズムや、タオイズム、ゾクチェンなどの東洋思想、フォーカシングやプロセス指向心理学のような現代心理学にまで受け継がれていま