ドイツ語のSchwungという概念をどう日本語で説明するか
Guten Tag!
最近Clubhouseが流行っていますね。
私もClubhouseで「音楽家メンタルトレーニングの部屋」というルームを不定期でやっております。興味がある方は@miho_ohkiをぜひフォローしてベルマークをタップしてください!
昨日、ドイツでコレペティをしているお二人のお部屋が開いていたコレペティについてお話しするお部屋の中で、面白いお話に参加させていただきました。
それは、
「ドイツ語のSchwungという概念をどう日本語で説明するか」。
どうやって共演者と間延びすることなく共に合わせて音楽を作っていくか、というお話がどんどん広がっていき、「Schwungを感じることが大事」という話になったのです。
私も2011年からマスタークラスなどで定期的にドイツ語のレッスン通訳をさせていただくことが多いのですが、ドイツ語の"Schwung"に一言でしっくりくる日本語がなかなか見当たらなかったのです。
まず、"Schwung"を辞書でひくと、揺れ、振れ、勢い、活気、精神の高揚、というった訳が出てきます。
実際にSchwungを使う場面としては、ピアノや音楽のレッスンの中では大きく二種類に分けられます。ひとつは音楽の性格について、もうひとつは動きの説明として。例えば「schwungvoll」な曲想は、躍動感にあふれた弾むような曲想です。動きの説明としては「もっとSchwungを使って弾いてね」といった風に使うことが多いです。
英語に直訳すると"Swing"と訳されることが多いのですが、Swingとは完全に同じではなりません。Swingは音楽にノる感じがしますが、Schwungではただ単に音楽にノるだけではなく、もう少し興奮や熱が加わった状態なんですよね。
というわけで日本語にはない概念のため、一言ではなかなか表すことができませんが、みなさんとお話しする中で、Schwungは
・うねりと内側から生まれる動き。
・目的地に向かうまでのエネルギー。
・平面ではなく立体感がある、内的な情動。
といった概念なのかなというお話になっていきました。
こういう、音楽の中で抽象的に理解していた概念を言語化する作業は楽しくわくわくしますね。久々にふむふむする時間でした。楽しかった!
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