母になり9年。自分を振り返り親の苦労を想像して、感謝が溢れた11月1日の私の話。

母とは幸せであり、生涯修行である

私は母になって、本当に幸せだ、と感じるタイミングが増えたと感じている。

妊娠が分かったとき
胎動を感じたとき
生まれてきたとき
天使のような寝顔を見たとき……

言い出せばキリがないほど幸せな瞬間がたくさんあった。

日々の成長を見守れる私は本当に幸せだ
と断言できる瞬間に溢れていた。


しかし、母になることは、幸せな側面だけではない。
むしろ、大変なことの方が多くある。

子どもが赤ちゃんだった頃。
ただこちらを見て笑顔になってくれるだけで幸せだった。
しかし、その一方で、夜泣きや体調不良による不機嫌、さらにイヤイヤ期の到来……

幸せな思い出に溢れているが、その一方で苦労にまみれた時間を過ごしていたのも事実。

今でこそ大変だった記憶よりも、幸せな記憶が多くあり、あの頃は〜と思い返せる。
子育てをしていた当時の記憶はあるものの、ほんの一瞬で過ぎて行った。

なぜなら、必死だったから。
あっという間に数年がすぎていた。
母になってからの月日は体感で言えば2年くらいかもしれない。
幸せでありながら、壮絶な毎日。

気がつけば赤ちゃんだった我が子は、一人が三人になり、上の二人は小学生になり……学校から帰って来れば、さまざまな問題をお土産に持ってくる。
17時をすぎた頃に鳴り響くスマホの着信音は、恐怖になりつつあった。

〜♪
画面には「◯◯小学校」の表示。
「うわ。まただ」
そう思いながら電話にでる。

もちろん、担任の先生からの電話。

私はスマホを耳に当てたまま、コンロの火を切り、作りかけの夕飯を傍に頭を下げ、先生に何度も謝る。
リビングでは子どもたちが笑い声を上げながらYouTubeを見ている。
なんとも言えない感情になる。

時々、自分の子育てが失敗しているんじゃないか。
私が間違っているんじゃないか。
どこから間違えているんだろうか……

母親としての自信なんて、床に散らかっている食べカスほども残っていない。
自信なんてものは、冬の白い吐息のように、少しだけ姿を現しては、瞬く間にスッと消えていく。


さらにトラブルは小学生に限った話ではない。
お友達とのトラブルこそ少ないものの、疲れに支配された子どもの夕方以降の荒れ具合と言ったら……
そう、例えるなら暴れ散らかす小さいマウンテンゴリラだ。


ああ、数年前にもこんな光景あったなあ……
と、遠のく意識を手放さないよう、「私は仏だ……」と自分に念じ精神を落ち着かせながら、目の前で暴れ散らす小さいマウンテンゴリラをなだめる。



今日のゴリラちゃんは、お風呂上がりからずっと
「コマがやりたい!コマを買って欲しい!」
と泣き喚き暴れ散らしていた。

その脇で、
「明日学校でネームペンが要るのに、持ってるやつは書けなくなってて使えない〜!」
と20時すぎに慌て始める小1。

……なぜ今なんだ!!!!
なぜ帰ってきたときに言わない!!!
そして、なぜこういうときに限ってストックがないんだ!!!
私のペンケースの中にあったはずのネームペンがなぜなくなっているんだ!!!

風呂上がりで髪が濡れている子どもたちを、早急に乾かし、近所の薬局へ走る。
暴れ散らす小さいマウンテンゴリラを連れて……。


もう、苦行だろう!!こんなもの!!!

……とネットで言えば、
「好きで産んだのにそんなことを言うなんて」
「母親の発言じゃない」
「母親失格」
など、じゃんじゃん叩かれる世の中。


ちょっと弱音を吐きたいと思っても、辛い気持ちを安易に体外に放出することは許されない。

もちろん母親として幸せなのは事実。
しかし、先月から今日までを思い返しても、母親とは精神・肉体共に修行だ……と思うのも事実。



自分が思春期を迎え、反抗期を迎え、好き勝手していた頃を思い出し、当時の自分が我が子だったら……と今から頭を抱えたり、恐怖さえ感じたりしたこともある。


自分が母親になって、その分これまでの感謝の気持ちが大きくなった。
手も、目も、気もかけてくれていたこと。
大人になってからも、私の親でいてくれるだけでなく、祖父・祖母として孫を可愛がってくれている。

きっと、私の母親も(父親も)、現在進行形で頭を抱えることもあるだろう。
私が体感した大変さは、小雨程度なのかもしれない……
と、思えば思うほど、母親とは生涯修行なんだろうな……と思う。


自分のこれまでの子育てを思い返しながら、奮闘した日々を書いていたら、改めて還暦を迎えた両親に敬意を示さなければ……と思った11月初日の夜。

足元が冷えてきた。
そろそろ寝なくては……

今日は寝る前に怒っちゃったな……
子どもたちの寝顔を見て、大好きを伝えてから、寝よう。

さあ、子たんぽで温まったお布団に入って、幸せを感じながら寝よう。
今日は膝蹴り、かかと落とし、肘打ちをお見舞いされませんように。

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