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コラム(17日)、石丸・安芸高田市長、都知事選出馬へ、危機感なき既成政党に危機感で殴り込む

石丸伸二・安芸高田市長(41歳)がきのう、東京都知事選に出馬すると表明した。東京ビックサイトで開催された「Climbers」というイベントに出演して講演。その最後に出馬表明が行われた。たまたまこの場面をネットでみた。今朝、確認しようと主要メディアの記事を探した。彼らは講演後に行われた記者会見の内容を簡単に伝えているだけ。詳しい内容は報道していない。おそらく、どの社もイベントを取材していなかったのだろう。石丸氏は少し前から都知事選出出馬が噂されていた。政治部、あるいは都政担当記者は抜かったのだろう。というか、情報感度があまりにも低くすぎる。記者としての資質の問題かもしれない。それはともかくとして出馬の理由が凄い。比較的紙面を割いて伝えている産経新聞によると「一極集中から多極分散へ。これしか東京と地方が発展する道はない」と。これは日本再生論だ。小池都知事が絶対に言えない発言だ。

講演によると石丸氏は安芸高田市のごく普通の家庭に生まれ、育っている。小さい時からこだわっていたのは「挑戦」だったと自ら振り返る。京大卒業後に三菱U F J銀行に入行。ニューヨーク駐在時代にブラジルをはじめ南米諸国を担当する。ここでの経験が氏の人生を変えるキッカケになる。帰国して為替ディーラーなどを担当したあと、4年前に河井事件に絡んで安芸高田市長が辞任した後の市長選に出馬し当選する。当選後はS N Sで積極的に情報発信するなど、何かと話題になった人物である。極めつけは市議会との対立。ストレートに直言する若い市長の言葉は、議会を牛耳る旧態依然とした老練な政治家とあわなかったようだ。あわなくて当然だろう。想像するに政治を見る視点、未来に向けていまやるべきこと、政治に取り組む姿勢がことごとく違っているのだ。衝突を回避する若い政治家がいるとすれば、そのほうがおかしい。
 
講演で印象的だったのは政治には「危機感」が必要だという発言だ。氏が抱く最大の危機感は日本が直面している人口減少だ。人口推計によると2040年に日本の人口は1億1280万人と推計されている。これは今後20年間で1300万人減る計算だ。東京都の人口とほぼ一緒。だが、減るのは東京都ではない。北は北海道から南は沖縄まで、地方を中心に人口が急減するのだ。これで本当に日本は持つのか、これが政治家を目指した石丸氏の最大の「危機感」だ。小池都知事は子供手当の増額など周辺自治体と差別化することにより、一極集中の加速化策を推進している。これは地方都市の窮乏化策でもある。地方創生にも逆行している。石丸氏はこうした現状に挑戦すると宣言した。裏金づくりが蔓延している日本の政界で、正論で突っ走る石丸氏が通用するかどうかわからない。だが、いまは、既存の政治家とはまったく異質な若い政治家が登場しつつあることに、微かな希望を見出すしかない。
 


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