15年前のお話

Xでタグを見かけたので、15年前の話をします。

15年前、私は大きな会社の契約社員でした。今思うとかなり好条件だったと思います。大した仕事はしていないのに、それなりの給与が貰えました。
でも私はそのありがたさをわかっていませんでした。子供の頃は好きなものを買えなかったので、バカみたいに買い物をしました。いや、買い物依存性になったのはもっと後だな。 好きなものを買い、身に付け、友人と遊ぶ。今よりは楽しそうです。当時の私は15年後の自分が1人でお金もなく男もおらず散らかった部屋でお酒を飲んでるなんて想像も出来なかったでしょう。

Limi few、フランシュリッペ、Emily Temple Cuteの服を好きなだけ買い、休みの日はLIVEに行っていた当時の私は、恋人がいました。彼は鬱病で休学中の医学生でした。
そして、14年前にこの世から去りました。

彼との出会いは私が21歳のときでした。出会い系を介してその日に寝ました。彼は、「俺は医学生で忙しいからお前からまた連絡してこい」と言いました。
この人はナチュラルモラハラ体質です。たぶん、悪気なく女というものを下に見ているのでしょう。そして、コンプレックスの塊なのでしょう。
なんだか私は気に入られたんだな、というのだけはわかっていました。男尊女卑の家庭で育った私は、こういう男をうまく扱えるのです。
連絡はしませんでした。モテない私なのですが、一時的に複数の男性からアプローチされることはあり(出会いは全部ネット経由)、たまたまその時期だったのです。向こうから連絡が来て、「付き合ってる人がいるからもうあなたとは会わない」と返しました。

数年後、再び出会い系を介し、再会し付き合いしました。結論から言うと最悪でした、お互いにとって。
私は心療内科に通いながら正確な診断名が出なかったのですが、当時は典型的な境界性人格障害という感じでした。鬱病の彼にとってはこの上なく最悪な相手です。周りは医学生。彼らはこの迷惑なメンヘラ女を引き離すために、夜出かけていました。
本当にそうだったのかは今思うとよくわかりません。医学生は色々付き合いがあるようでしたし、友人達に会ったことも一応あります。いや、あれは後輩だったんだっけ。この恋人は三浪していて留年もしていて早生まれだからよくわからないんだよな…
彼といても何も楽しくありませんでした。溜め込んだ洗濯物を畳まなくてはならないことがあり、手伝おうとしたら「おまえは下手なんだからハンカチだけ畳んでくれ」と言われました。
怒る気にもなれませんでした。こいつはそういう奴だからです。
「正社員じゃないんだから」と言われたのは腹が立ちました。彼は体臭が強すぎて派遣先の家庭教師をクビになったり、勤務先で上司と喧嘩して辞めてしまうような人でした。スキルはないけどお前よりは社会性あるわ、と思っていました。

この世から去ってしまったけど、最後に抱いた女が私なんかでほんとうにかわいそうだな、と思っています。

あの頃の精神状態には戻りたくないけど、給与はあのくらいがいいです。しくしく。


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