家計簿サービス「タメルメ」リニューアルの背景を追ってみた!
※こちらは過去にWantedlyで公開していた内容です。
ムーブでは11月7日、自社事業として展開している家計簿サービス「タメルメ」の新バージョンをβリリースしました!弊社は主に自社内での受託開発を行っておりますが、ブランディングの一環として自社サービスも開発しています。
今回は、メイン担当者である榎本さんにインタビューをする形で、タメルメリニューアルまでの経緯や思いについてお伝えしていきたいと思います。彼は学生アルバイトを経て2018年秋にムーブに新卒入社したエンジニアです。若干22歳ながら、タメルメのリニューアルを主体となって頑張ってくれました。
Q:タメルメのリニューアルに至った経緯を教えてください。
タメルメは、だれでも簡単に使えることをコンセプトとした家計簿サービスです。元は代表の西坂が家庭の家計管理のために開発したものでしたが、せっかくなので世に出してみようと2010年にリリースしたのが始まりです。
受託開発中心という事業の都合もあり業務での優先順位が低く、初回リリースしてからというもの、スマホが普及した近年になっても時代に即した改修が満足にできていないことが気になっていました。今回タメルメをリニューアルすることになり、私がその担当を任せてもらうことになりました。
Q:今回のリニューアルでは何が変わりましたか?
新バージョンでは、今の時代に合う、より使い勝手のいい家計簿となるよう工夫しました。
メインで行ったのは、モバイルファースト対応とWebアプリのSPA化です。今後のネイティブアプリ展開を見据え、プラットフォームにはReact Native for Webを採用しています。(React Native for WebはiOS + Android + Webアプリをほぼ共通化して開発することができるプラットフォームで、Twitter Liteでも採用されています)また新バージョンでは以下などを行いました。
★サービスデザインを一新
新バージョンは全体的にカラフルで明るい印象でありながら、無駄を省いたデザインによる分かりやすさを意識しています。表やグラフによる家計分析の画面は分析期間を1ヶ月、3ヶ月、1年に設定できるようにするなど、より詳細な家計の把握がしやすいものにしました。家計簿は面倒で続けられないと感じる人も多いので、少しでも家計管理が楽しくなるようにという思いを込めました。
★サービス全体の操作性を向上
簡単に家計管理ができることがタメルメのコンセプトなので、「複雑さや面倒さがなく、ユーザーにストレスをかけない仕様」を重視しました。
例えば軽減税率制度により消費税率が2種類になったことに合わせ、家計簿を更新するページの電卓機能に「8%」と「10%」の税込価格を簡単に反映できるボタンを設けました。「×1.08」のようにユーザー自身が計算式を入力しなくても、ボタン一つで計算ができるようにしてあります。
また、家計簿をつける仲間(「タメトモ」と呼んでいます)の頑張りを見ることができる機能も見直しました。この機能は、家計簿を継続するモチベーションになるように旧バージョンからあるものですが、今回のリニューアルではより気軽にタメトモと繋がれるようにしました。
★「おさいふ管理」機能の追加
クレジットカードや電子マネーなど現金以外での支払いも当たり前になっていますので、各種支払方法を管理できる「おさいふ管理」機能を新たに加えました。支出の登録時に金額だけでなくその支払方法も登録できるようになっています。クレジットカードは、実際に買い物をした日と銀行口座から引き落とされる日のどちらを家計簿に計上するのかをユーザー自身が選択できるようにしています。個々のライフスタイルに応じたカスタマイズができるので便利です!
Q:リリースまでに大変だったことは何ですか?
自分が中心となり、中長期での展開を見据えたプロジェクトを進めることがはじめての経験だったため、すごく苦労しました。周りの方々とうまく連携できずリリースを先送りしたこともあります。具体的には、全体のスケジュールを見通せていなかったことが原因で初期段階にしっかりとしたシステム基盤を構築できなかったり、追加でメンバーを確保していただいてもかえってオーバーヘッドを大きくしたりしました。
状況の異なる人同士が複数関わる状況下でプロジェクトをディレクションすることがどれだけ難しいものか、このプロジェクトをもって痛感しました。
技術面で大変だったのは、今回React Native for Webを使用したことによって、React.jsでWebアプリを開発するよりも手間がかかったことです。React Native for WebによりWebアプリとネイティブアプリのソースを共通化できるメリットはありますが、入力する文章の長さに応じてテキストエリアのサイズも可変させることがテキストエリアコンポーネントでは対応できない、サービス内に組み込む画像サイズの仕様に制限があるなど課題も多かったです。また、React Native for WebにはUIライブラリがないので、UI部分はほぼ自作しなければなりませんでした。
Q:今後どのようにタメルメを展開していきたいですか?
β版で粗削りな部分も多いので現在もブラッシュアップしていますが、今後はユーザーの意見を反映し、さらに使いやすくしていきたいです。予算や支出の状況がすぐ把握できるようトップページの改修、SNS連携機能の追加などを直近で予定しています。今回のリニューアルで行ったような税率改定に伴う対応などは、今後はできる限り速やかに行う予定です。
タメルメが皆さまのライフスタイルの充実や将来のためのお役に立てたら嬉しいです!
お読みいただきましてありがとうございました。
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