2月9日 漫画の日
妹がマンガを読んでいた。
マンガ、というタイトルの本を読んでいた。
漫画の中に出てくるような、表紙に「マンガ」とだけ書かれた本を、読んでいた。
気になったので借りて読んでみる事にした。
表紙をよく見ても、「マンガ」の三文字以外に一切の情報がない。作者名もないし絵もない。開いて中を見てみる。そこには当然漫画があった。
そう。漫画だ。
漫画だ、という事は言える。しかしそれ以上は説明できない。言葉が出てこない、頭の中がまとまらない、いや、まとまるとかまとまらないとか、そういう話の前に、まず自分が今何を読んでいるのか理解ができない。
難解なストーリーじゃないと思う。普通に子供でも読める話だと、そんな気はするような気がする。考えるほどに認識があいまいになってくる。今目の前にある漫画をはっきりとこの目で見ているのに、それがどんな絵柄なのかもわからない。リアルな絵か、デフォルメされたものなのかも、全く、何も、認識できない。
ただ、自分は漫画を読んでいる、と、ただ、ただ、それだけしかわからない。
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