2月5日 ふたごの日
私の幼なじみはふたごだ。
フミちゃんとイツムくん。二卵性の男女のふたごだけれど、一卵性かと思うほどによく似ている、中性的な姿のふたり。小学校でも、中学校でも、同い年の私とふたりはずっと同じクラスで過ごしてきた。なんせ、私達が生まれ育ったのは小さな町で、子供も少なく、学校には一学年一クラスしかなかったのだから。
変化があったのは高校に進学する時だ。
私は遠くの街の学校で寮生活。イツムは家から通える距離の学校へ。そして。
「え!? フミそんなとこまで行くの!?」
「うん。行ってみたくなって」
フミの目指した学校は、私の選んだ「遠くの街」よりもっとずっと遠くにあった。あまりに遠すぎて、進学後はろくに連絡もとれなくなってしまったけど、イツム曰く「あいつは元気でやってるよ。きっと」との事。うん。私も、そう思う。
フミならきっと、どこへ行っても大丈夫。
そこは星空の向こう側。太陽を挟んだ反対側。地球そっくりな、反地球とか対地球とか呼ばれている星で、今、フミは暮らしている。
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