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2月17日 天使の囁きの日

 きらきらと、世界が光り輝いている。
 ダイヤモンドダスト……と、呼ぶのだったか、この光景は。そうだ確か、空気中の水蒸気が凍って……。
「水蒸気ですって? そんなつまらないものじゃないわ。あれは天使の羽なのよ」
 僕の耳元で、誰かの声がした。誰だろうか。見れば、女の子が浮いていた。
 真っ白な服を身につけ、背から真っ白な翼を生やした女の子が浮いていたのだ。
「天使?」
「あら。貴方いつの間に、そんな口説き文句が言えるようになったの?」
 口説き文句……? いや、そんなつもりはない、ただ見たままを呟いただけだったのだが。だって天使じゃないのか? 翼もあるし浮いている。天使だろ? 白いし。
 よくよく女の子を観察してみれば、ふと、ある事に気付く。
「君、なんだか、死んだ妻の若い頃に似ているな」
 おっと、死人と重ねるのは失礼だっただろうか? 女の子は複雑な顔をして、
「鈍いところは変わってないのね」
 と、囁いた。

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