2月14日 バレンタインデー
私の血液はチョコレートでできているのよ。
彼女がそう発言した時、僕は当然ウソだと思ったのだけれど、彼女の手首の切り傷から流れ出た液体は確かに茶色く、甘かった。ミルクチョコの味がした。
二月十四日、招かれた彼女の家の中、彼女の部屋の中、彼女のベッドの上で、僕は彼女の手首に口付けをして吸血鬼みたいに血を吸った。
「だけど、どうして君の血はこんなにも甘いの」
「血だけじゃないわ。私は全身が甘いの。あのね貴方にだけ教えてあげる。内緒よ。私の体はお菓子で作られているの。パパが私を