マガジンのカバー画像

百字小説

119
100文字の小説 ※タイトルとハッシュタグは除き、本文だけで100文字 ※文字数カウントはnote執筆画面の表示を参照しています
運営しているクリエイター

2023年12月の記事一覧

【クリスマスの朝、モミの木の下にて】  モミの木の下に、クリスマスプレゼントが置かれていた。ご丁寧に、息子の名前が書かれたメッセージカードつきで。一体、誰が置いたの。まさか……バレているの? このモミの木の下に、私の息子が埋まっている事。 #百字小説

【それは12月のある夜の事】  子豚を狙い、煙突を通ってレンガの家に侵入した狼。だけどそこには子豚の罠が。狼は、煮え立つ鍋へドボン!  狼を退治したぞ! と子豚が喜んでいるともう一匹……いや、もう一人。赤い服のおじいさんがドボン! #百字小説

【できない降霊術】 「貴方は降霊術ができるのだと聞きました。お願いです、若くして亡くなった妻にもう一度会いたいのです」 「若くして……残念ですが、不可能です。私に呼べるのは高齢者の霊だけ。私にできるのは、高齢術なのです」 #百字小説

【雲の下の流れ星】  せっかくの流星群だってのに、星空は雲で隠れてしまった。一個くらい流れ星、見えないだろうか……見えた!  いや。あれ、流れ星か? あれは……雲の下を、地上へ向かってまっすぐ落ちてくる巨大なあれは……。 #百字小説

【飛行レースの副次的効果】  今日は魔女達の飛行レース。  昔ながらの箒で飛ぶ者から、雑巾で飛ぶ者、掃除機や最新お掃除ロボットに乗って飛ぶ者まで様々な選手が空を行く。  そして彼女達が飛んだ後の空は、素晴らしく綺麗になるという。 #百字小説

【余命僅かだった】  余命僅かな彼に愛の告白。今までずっとつれない態度だった彼が、死を目前に初めて私の愛を受け入れてくれた。  私は幸せな気持ちで、彼に取り付けた爆弾を解除する。私達の余命を示していたタイマーが停止する。 #百字小説