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【「ここは俺の家だぞ」】 ボロ過ぎる俺の家を廃墟と思ったか、近所のガキ共が肝試しに来た。出てけコラと叱るも、おい無視か。いや、ひとりは俺を指さし「幽霊がいる!」と泣く。失礼な。そいつの頭上から再び説教を……あれ俺なんで浮いて #百字小説
【スイカとメロン】 スイカの種を飲み込んだら腹からスイカが生えてきて。これは好きな子に告白するチャンスだ! と思って。彼女、スイカが好物だからさ。そしたらなんと、彼女の腹からはメロンが。 俺、メロンが……苦手で……。 #百字小説
【皆様をお呼びしたのは他でもない、そうです、今回の事件の真相が分】 探偵は気付いた。ここは、百字小説の世界なのだと。 百字のみで構成された掌編の世界。 探偵の遭遇した凄惨な事件。その謎がついに解け、関係者全員を集め推理ショーを始めたところなのにこれじゃ文字数が足 #百字小説
【百字にいっぱい詰め込むチャレンジ】 探偵と助手の訪れた館が深夜飛び上がる。館は宇宙船だったのだ。船長は過去から来た戦国武将。船長と共に宇宙を巡る。妖精の星の学園で助手は恋をし探偵はグルメ対決をするも毒殺され転生した先は百字小説の世界。 #百字小説
【楽しい楽しい夕飯作り】 昨日は家族皆で夕飯を作りました。とっても楽しかったです。 弟がご飯を炊いて私がサラダを、ママが味噌汁を作りました。そして、パパと、えーとウワキアイテさんって名前の人が一緒にハンバーグになりました。 #百字小説
【宇宙人と地球人】 ある少年が扇風機に向かって「ワレワレハ宇宙人ダ」と言うと、背後から母親が声をかけてきた。 「あら、あんただけは地球人よ」 少年が振り返ると、母親は服を脱ぐかのように顔を脱いだ。銀色の肌が露出した。 #百字小説
【強く吹く風と空と雲と風船と】 今日は風が強いな。晴れた濃い青の空を、走るように流れる白い雲。そこへ赤い風船が飛んできて、その鮮やかさはまるで絵画のよう。ちょっとシュールタッチか。なんせ、風船の紐の先には女の子がぶらさがっている。 #百字小説
【ファイル名:タイトルは後で考える】 「なんか忘れてる気がするんだよな」 と呟いたのは、たった今執筆を終えた小説家。〆切は既に過ぎ、編集部が待ってくれるマジのガチのギリのタイミングでやっと書き終えた訳だが、やはりなんか忘れているような。 #百字小説
【巨大迷路の中にて】 巨大迷路に挑戦してから今日で一ヶ月、未だ出口を見つけられず俺は迷路の中にいる。同じく迷った他の参加者達や、俺達の救助に来たまま出られなくなったスタッフ達と過ごす迷路生活は、慣れてくると案外悪くない。 #百字小説
【ワレワレハ宇宙人ダ】 ある少年が扇風機に向かって「ワレワレハ宇宙人ダ」と言うと、扇風機から「オマエモ宇宙人ダッタノカ」と返ってきた。こうして、人類は扇風機型宇宙人の存在を知った。 別の日、少年がエアコンに向かって──。 #百字小説
【『ただ君に、これを伝えたかっただけなんだ』】 博士が友人に頼まれ発明したのは、死者の声を文書に変える心霊タイプライター。 発明品完成直後、友人は自殺。 何故、と嘆く博士の前で発明品が動き出し、文字が現れる。 『これが本当のゴーストライター』 #百字小説
【自動演奏】 祖母の形見のピアノには自動演奏機能があるから、毎年命日に祖母の好きだった曲が流れるのにも、違和感はなかった。家族の誰も、自動演奏の設定なんかしていないのだと分かるまでは。 今年も、曲は流れている。 #百字小説
【盗まれたマンホール】 マンホールが盗まれた、との通報を受け駆けつけた警察。道路を見れば、そこにある筈のマンホールの蓋が……普通にあった。通報はデマか? 一応異常がないか確認するため蓋を持ち上げ、気付く。蓋の下に穴がない。 #百字小説
【家族の事を想うが故に】 俺は家族の為なら何でもできる。うちの妻をからかってくる近所の奥さんも、息子をいじめた同級生も俺が土に埋めてやった。さて娘よ、お前も誰か嫌いな相手はいないか? 「うるさいパパ嫌い」 俺だな。任せろ。 #百字小説