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副業会社員大家が税務署へ相談に行った話(2021年2月確定申告)

今年、2020年春にサラリーマンの傍らで不動産賃貸業をスタートしたので確定申告が避けられなくなった。

ところがいざ向き合おうとしてみると、当然のことながら勝手がわからない。
不動産投資家向けの税金の本を数冊読み、関連のWebサイトもそれなりに読んで基礎は押さえたけれど、不動産所得に加えてわずかに株の配当やブログ収入があり、ふるさと納税もやっている。この合わせ技がちょっと複雑。
これはもうプロに聞くしかないと、電話予約の上で税務署へ相談に行ってみた。


税務署での個別相談をお勧めする理由

結論として、似た境遇の方が確定申告に迷ったら税務署に行くべき。全力でお勧めする。

お勧め理由の1つめはサービスの質。
税務署職員はお堅く冷酷(失礼)なイメージがあったけれど、納税意思のある人に対してはとても親身だった。事前の疑問は9割方解決したし、今後追加の疑問が出た際に電話で聞くハードルも下がった。

2つめの理由は、無料であること。
都合1時間半くらいじっくりとマンツーマンで教えていただいて無料というのは驚き。ただ考えようによっては納めた税金が回りまわって税務署の運営に使われているはず。なので、むしろ活用しなければ損とも言える。

この体験が誰かの役に立つかもしれないので、まとめることにした。


この記事の想定読者

読者は確定申告未経験の方を想定しているけれど、これを読むよりも自身で直接税務署に行く方が良いのは間違いない。迷っている人には今すぐ最寄りの税務署に電話をすることをお勧めする。

反対に、以下のような場合には少しはお役に立つかもしれない。

・税務署に行く時間がない
・相談のポイントがよくわかっていない
・まだ不動産投資/事業/副業をスタートしていないので相談ができない
・これから副業を考えているので、その時の参考にしたい

従って、すでに確定申告を経験している方や、法人を設立して不動産を購入した方にはあまり役に立たないと思われる。後半の具体的な質問と回答は身バレ予防のため有料記事設定にしたけれど、いざ全文を読んでガッカリしたり、どうか石を投げないでいただきたい。

また記事全般に関して、質問をいただいても税理士ではないので回答ができない。疑問がある方はぜひ、Go  To 税務署。(税務アドバイスは税理士の独占行為)

さらに補足するなら、節税に関しては税務署では教えてくれない。聞けるのはあくまで確定申告のお作法に関して。
節税方法が知りたい場合には税理士さんの有料相談を活用されると良いと思う。これに関しては自分は未体験なので、いつか所得額がもっと大きくなった頃や、法人を立てた頃に考える。


予約から個別相談までの流れ

話を本題に戻して、個別相談の予約から当日の流れ、質問と回答についてまとめてみる。

確定申告について具体的に迷っている人には今すぐ最寄りの税務署に電話をすることをお勧めする。

流れとしては、4ステップ。

1. 最寄りの税務署を見つける
2. 電話して「個別相談の予約」と伝える
3. 相談内容の概要を伝える(自分のケースでは、2021年2月の確定申告相談)
4. 予約日時に税務署を訪問する


相談先の税務署は最寄りの(管轄の)ところ一択。
住んでいる地域=確定申告提出先=税務相談先、なので、「来年2月にこの考え方で確定申告するつもりなんですが、合ってますか?」と聞くのに、これ以上の相手はいないと思われる。

税務署の住所や電話番号は「自治体名 税務署」で検索してもいいし、国税庁のWebサイトからも飛べる。


おそらくどの自治体も、個別相談は電話予約が必要な様子。(2020年11月現在)


今年は新型コロナの影響で2020年3月までに終わるはずだった申告がまだ出来ずに相談に来る人も多いと、職員さん談。

なので予約は早めに。その際に所得の状況や相談したいポイントを伝えておくと、当日の相談員さんへ引き継いでもらえる。


予約時の電話で、自分は以下のように伝えた。


<著者へらじかの2020年のお金の動き>
・会社員として給与をもらっている
・個人で賃貸経営(不動産投資)を始めた *法人ではない
・株の売買や配当による所得がある
・ブログを通じた広告収入がある
・単発のコンサル業を通じた収入がある
・ふるさと納税をしている
・新型コロナウィルスの定額給付金(1人10万円)を家族4人分
・児童手当や幼稚園代の補助(2人分)

上記について適切に申告するためのアドバイスを受けたい、と予約をした。


会社員給与と不動産だけならそれほど難しくなく、税務署に行かなくてもよかったかもしれない。
ところが株から下が細かく、処理に悩んだ部分。それぞれ金額的には小さいけれど無視はできないし、今後毎年同じことで頭を悩ませ続けるのも嫌だし、一度解消しておけば楽になるしと一念発起した次第。


そして電話予約後、当日までに会計ソフトfreeeを有料版にアップグレードして、経費を入力。(結局相談までに未完了。続きは年末にやる)


事前に準備した質問

電話予約の後、以下の質問をノートに書き出して臨んだ。

・勤め先での年末調整は必要か?どうせ確定申告をするなら不要か?
・Web申告のためにマイナンバーカードを取得したが、他に必要なものは?
・株式配当とブログと単発のコンサルティング収入は全て雑収入で合っているか?
・ブログの広告料はどのタイミングで2020年分として計上するのが適切か?
・損益通算が可能なのは給与所得と不動産所得の間のみか?
・確定申告をする年はふるさと納税のワンストップ特例は使えないのか。
・不動産敷地内に電柱があり、電力会社から支払を受けているが、これは売上か?
・車や携帯やインターネットの料金を家事按分する場合の適正な比率は?
・米国株の取引や配当金を日本円換算する方法は?
・コロナ定額給付金の扱いは、課税対象か?
・児童手当や幼稚園の補助については、課税対象か?


個別相談当日の様子と税務署員さんの回答

当日対応いただいたのは若い女性。
複雑な箇所については中座して他の職員に確認をしてくれたし、お役所の本音と建前的なところも比較オープンに話してくれてとても好印象だった。

予約不要の一般の窓口では何やらゴネている人がいたけれど、予約のある人は別会場に通してもらえるので、テーブルに資料を広げながら思う存分話せた。


以下に、得られた回答をメモ。

<得られた回答>
■勤め先での年末調整は必要か?どうせ確定申告をするなら不要か?
→どちらでも良いが、年末調整をしておくと確定申告が少し楽になる。

扶養控除や社会保険料の計算は青色申告までに完了させておく必要がある。自分でやることもできるけれど、年末調整書類を出しておけば勤め先にやってもらえるので、出来上がったものを青色申告の際に利用すると楽、とのこと。

ひとつ目の質問から、非常に実践的なアドバイスを受けられてびっくり。お役所仕事、とはちょっと違う好印象だった。


■Web申告のためにマイナンバーカードを取得したが、他に必要なものや手続きは?
→ICカードリーダーほか必要なアイテムや手続きについては国税庁のWebサイトが詳しい。

そして職員さんが続ける。

「でも実は、本人確認書類を持って税務署に来た人は電子申請用のIDとパスワードを即日発行できるんです。今日、いまここで発行することもできますよ」

確定申告のためにマイナンバーカードを作った身としてはもっと早くに知りたかった事実。ともあれ、一応発行してもらった。免許証を提示して、税務署のノートPCに必要事項を入力し、確認証をプリントアウトするまで3分ほど。

2月3月の確定申告時期は例年混雑するらしく、特に今の時期人混みは避けたいので助かった。

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