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【読書メモ】 住宅ローンは変動で借りなさい

この本です。ダイヤモンド社の「〇〇しなさいシリーズ」の一つと思われる。

さて、本の表紙にもあるように、現在金利が上がるとも上がらないとも言われていて、"住宅ローンはどうしたらよいのでしょうか"という不安が家を買いたい人の間に溢れている。
そこに絶好とも思われるタイミングでこのタイトル。買って読んでみることにした。

感想

住宅ローンの本となってはいるが、"投資"のバックグラウンドを前提にしないと成り立たないことを書いている。
というか、この本の最大のメッセージが、"住宅ローンと投資を並行してやりなさい"であると言っても過言ではないだろう。

これについては、筆者もそれなりの強さで読者に勧めている。
言葉遣いこそ丁寧だが、資産運用する余力を持つ気がない・持てない人は
この本が指南する内容の適用外ということを言っている。これだけを見て、何割かの人は怒って読むのをやめてしまうかも知れない。

投資するだけのお金はない… …という場合には、「資産運用できていない家計はやばい」と発想を切り替えていただき、収入アップか支出の見直しに本気で取り組みましょう。毎月この余力分を捻出することは本当に大事です。むしろ、この余力を作ることが、変動金利を借りる条件と言っても決して過言ではありません。

5章 P175

本の題名の"住宅ローンは変動で借りなさい"というのは、
ローンで本来払うことになっていたお金を投資に回せれば、金利が上がっても投資の儲けでカバーが出来るし、そもそも歴史を紐解いたときにそこまで金利が上がることも考えにくいし、それは十分正解に近い選択肢と言えるということを数字を使って説明してくれていた。

心情的にはローンをさっさと終わらせたい気持ちがあるだろうが、実際は手元にあるお金を繰り上げ返済に使うより投資に使った方が最終的なリターンは大きい、という主旨のことも述べていた。

かなりの確率でそういうことにはなるのだと思う。
しかしこの考え方を受け入れて実行に移せる人は実際は多くはないだろうとも思った。
第一に、ローンの利子と張り合える程度には投資額を入れている必要があるから。第二には、過去の常識では相当リスキーなことを言っているように感じられるから。

僕の場合、上記のこと(ローンの利子を投資で相殺するのは十分可能なのでは?ということ)は自分もうっすら思っていたことであったので後ろ盾を得たような心強さを感じるが、親には通じる気がしない。
家を買う相談を親等の家族にはしないだろう。

実はわかっていないこと

たくさんあるが、細かい話。
例えば、団信はキラーコンテンツ、大変オトクな制度と書かれていた。
しかし、例えば三菱UFJ銀行でがん100%の団信をつけるときに0.3%上乗せされるのが果たしてオトクなのかということ。35年払いとすると普通に10%以上上乗せされてしまうのであまりお得感を感じていない。

おわりに

上ではアッサリと書いてしまったが、実際はもっとモデルケースを用いた計算結果など、"住宅ローンは変動で借りてよい"根拠となるデータがいろいろとある。情報量があるので、忘れたら手に取るような読み方をするのも良いかと思う。今後定番となる内容かも。

#住宅ローンは変動で借りなさい

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