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coucou - adieu note

綴られた明日への想いから、短いイントロが響き渡る。「穴空きの空」で幕を開けた二つの夜は、厚い雲に覆われる地上をひっくり返したような、優しく眩しくきらめく、あたたかな光の粒たちで溢れていた。 「たくさん唄います!」という宣言通り、いつも浸っているあの曲に初めて目の前で聴けたあの曲まで、adieuの歌と言葉を全身で浴びた空間。紛れもなく、この星のどこよりもしあわせに満ちた世界!本当にどの部分を切り取っても美しくて、溢れていた感情が今になってもよみがえってくる。ちょっとずつ掬って

    • adieu note - あなたをちゃんと 思い出にできたよ

      「あなたをちゃんと 思い出にできたよ」 なんて切なくて、哀しい一言なのだろう... どこかやるせなくて、はかなげで。 17歳の私には今まで聞いたどんな曲よりも、どんな言葉たちよりも、胸の中で響き渡った感覚がした。心の隅々にまで、波紋のように広がるその感覚が今でも色濃く残りつづけているなんて。よっぽどの衝撃だったんだろうな。この歌が蘇らせてくれる、心をそっと撫でられたような感触のおかげで私は少しだけ、不安に雲隠れした明日を迎えに行ける気がするんだ。途方に暮れるような辛さの中で

      • adieu note - 何者でもない少女

        はじめまして「さようなら」 最初で最後の「さようなら」 客がまばらに散った新幹線の車内。その窓際。 光を探すわけでもなく眺めた、窓の外に広がる暗闇の深さを今でも覚えている。 彼女の歌声は、心と体、感覚のすべてを支配し、フワフワと浮かべた。目に見えるわけでも、手の上に転がっているわけでもない。それでも確かに、その歌声は現実から離れたところに浮かぶ世界へと私を誘いさらってゆく。優雅に揺らめき夢のように消えてしまいそうな、手の届かない不思議な世界へと。 adieuに出会った当時

        • タイトルは何処へ。

          書くこと。心の内を文字にすること。 その変換作業は、なんて難しいのだろう。 心にモヤッと浮かんだ思いを、強烈に叩く感情を探す。 でも、その過程がなんだか楽しくて。 思えば幼いころから、感情を言葉にして書き留めることは好きだった。 当時の友は日記帳。薄情なことに、現在の行方はわかっていない。 小学生では新聞を作っていた。 紙面の舞台はさまざまで、時には折り紙の裏まで活用することも。 この辺りはさすが小学生、それも低学年といったところか。 きっと老眼では苦労するであろう、それ

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