つらい副作用と國村隼の思い出

抗がん剤にも色々種類があるというのは当事者になって初めて知ったことだった。

私が使ったのは5-FUとシスプラチン、アービタックスという薬。

薬を入れる前に強力な吐き気止めを飲むので、実際に戻したりすることはなかったんだけどそれでも毎日気持ち悪くて死にそうだった。

元々めっちゃ大食漢なのにウィダーしか飲めなくなったり。なんか食を削られると人って本当に元気がなくなるんよね。

他にも味覚障害・腹痛・下痢・耳鳴り・倦怠感とかあって、治療のために薬入れてんのにそのせいで虫の息なんですけど…て感じだった。

副作用って髪が抜けるだけじゃないんだよ。でもそんなん中々想像しづらいよね。

中でもアービタックスの副作用の皮膚障害がめちゃ重くて、顔中痛そうなニキビだらけ&ヤケドに近い状態になったのが一番つらかったな。

周りの友達は皆キラキラしてるのに、日に日にブスになっていく自分がつらくて毎日病室で泣いてた。
いっそおじさんとかなら良かったのにな、と思ったけどまあおじさんはおじさんで辛いよね ごめん。

癌と言われたときよりもこの顔面ヒドい期が多分一番メンタルおかしくなっていて、毎日悪夢を見る日々だった。生まれて初めて精神安定剤?を処方してもらって飲んでた。

看護師さんにも「こんなに副作用がひどく出るとは思わんかった。ごめんね…」と言われて、でもまあ謝られても顔は返ってこないからね。どんだけ寄り添ってくれても絶望には変わりないから。

余談だけど私はホラー映画が大好きなので、この頃にホラー観て元気出そう!と思って國村隼主演の「哭声」を観て寝てど迫力の國村隼が夢に出てきてめちゃくちゃうなされたりした。なので國村隼はトラウマ笑

恐ろしすぎるやろ

今はやっと化粧出来るくらいに回復したけど、それでもやっぱり痕が残ってソバカスみたいになってるしなるべく鏡を見たくないのは相変わらず。

あと髪もパラパラ抜ける程度だから、と言われていたけど結局ごっそり抜けてもう落ち武者みたいになった。

覚悟を決めたつもりで始めた抗がん剤だったけど、実際副作用が身に降りかかるとやっぱやらなきゃよかったな〜という思いが拭えない。

特に私の場合は延命治療だったから 治すことが前提ならやる価値はぐんと上がると思うんだけどね。

髪の毛はまた生えるから、と医者には言われた。確かに抗がん剤やめて数ヶ月したら発毛はするんだけど元通りには全然ならない。髪質もモジャモジャになるし。

もし元通りになるとして、それが2〜3年後だったとしてその2〜3年の間はヅラが手放せないんだよ。てかそんなに生きているかも分かんないし。

見た目が変わってしまって毎日死にたい気持ちになるくらいなら、治療しないというのも立派な選択肢のひとつだと思う。

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