見出し画像

NHKBS1スペシャル 2017年「爆走風塵 中国・激変するトラック業界」 2020年「中国コロナ危機 絶望のトラックドライバー」

NHKBS1スペシャル
2017年「爆走風塵 中国・激変するトラック業界」
2020年「中国コロナ危機 絶望のトラックドライバー」
を観た。

最初に、「中国コロナ危機 絶望のトラックドライバー」を観て、コロナ禍という状況でもあるため、スマホで運転手本人が撮影した動画も盛り込まれ、非常に生々しいドキュメンタリーだなぁ!と思ったのだが、このドキュメンタリーが、2017年のドキュメンタリーの続編と知り、2017年「爆走風塵 中国・激変するトラック業界」も何とか観ることができた。

「爆走風塵 中国・激変するトラック業界」は、よくぞここまで中国のトラックドライバーに迫ったなぁ!!どうやって撮影許可をもらったんだ!?と思わせる映像が満載!!本当に力作!!

構成としても、「ベテランドライバーコンビ」「中堅ドライバー親子」「新米ドライバーと同乗するその家族」の3組が、四川省の巨大なトラック集約地「成都公路港」を出発してから、それぞれ1,000km程も離れたゴールまでを、非常にドラマチックに、密着して追っていて、観ていて飽きなかった。

トラック、のりもの好きとしても、中国規格の30トン積みトレーラーが爆走する姿はワクワクするものがあるし、普通の平荷台トラックに、日用雑貨から石炭まで積んでしまうのも、興味深い。

それに、本当によく撮らせてもらえたなぁ、と思わせる、カメラの存在を感じさせないような、中国のたくましく生きるリアルな姿。

例えば、、、
市場で運転手の妻が買い物をするとき、
妻「これ、750円!?高いよ!」
店員「買ってくれるなら、650円に負けてあげる!」
妻「それでも高いけど、、、買おうかな・・・」
レジに持っていく。
店員「はい、750円ね!!」
妻「さっき650円って言ったじゃない怒」
店員(あっけらかんと)「言ってないよ!!750円!」

・・・うわぁ、買い物するだけで、こんな油断ならない国、中国・・・

そして、「成都公路港」の脇の道路で、ヒッチハイクのように「道案内」の札を掲げて、トラックに乗せてもらい、高速道路までの道案内をすることで小銭を稼ぐ女性たち・・・
トラックが信号で止まると、何人もの女性が、「乗せてよ!!乗せてよ!!」とトラックに駆け寄って行く。
おばちゃん「最近、全然乗せてくれないのよ・・・やっぱり運ちゃんも若い娘の方が良いのかね!?」
・・・この「道案内」女性って、何か裏稼業の匂いがムンムン・・・。

あと、ベテランドライバーコンビが大衆食堂で食べている料理、是非とも食べてみたい!!
辛そうな炒めものなんだけれど、その皿の中に、麺を入れる!!インタビューを受けてしゃべっている間にも、何も言わなくても店員が麺をどんどん足していくwww
麺に味が絡んで本当に美味しそう!!
道端で運転手向けに売っている、簡素な弁当も美味しそうだし、さすが、中国は食にこだわっているな、と思った。

2017年の状況を見ていると、2020年、コロナ禍も重なって、より悲惨な状況になった「絶望のトラックドライバー」で、カップラーメンしか食べられない運転手の姿が、ひときわ侘しく感じられる。。。

2017年には、一匹狼、個人事業主ドライバーがどんどん参入していた状況から、たった3年後には、状況が一転、荷物の仲介業者も、直接交渉から、スマホのアプリを通した、オンライン仲介に変わり、ドライバーで賑わっていた「成都公路港」の取引所は、全く無人になってしまう激変っぷり。

荷主の変化に上手く対応できた運送業者は、コロナ禍の中でも、一匹狼のドライバーをさらに抱え込んで、より強靭に、資本を貯め込んでいく。

一方で、2020年の個人ドライバーは、「コロナで高速道路の出口が閉鎖されました。。。サービスエリアも閉鎖されました。。。どこにも止まれません!!もう3日間寝ずに高速道路を走り続けています!!」
そして、家族を思いながら、故郷を思いながら、泣きながら詩を詠む・・・
って、詩を詠んでる場合じゃねぇよ!!
誰か助けてあげて!!!

「改革開放」政策の中で、日本や欧米以上に富裕層と貧困層の格差が広がり、これって、熾烈な資本主義だろう!と思うのだが、高速料金や燃料代は、市場とは関係なく、国家が価格を管理して、値段を上げていくという・・・

中国のGDPに占める物流コストは、日本やアメリカと比較して、倍以上だそうである。。。

そして、最後は中国共産党が儲かる!!
上手くやれば、そのおこぼれを頂ける。。。

疾走する中国は、どこへ向かうのか!?
濃いドキュメンタリーを堪能しました!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?