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「タクシー運転手 ~約束は海を越えて~」いい顔をしたオヤジ、大好き!!

チャン・フン監督、そして、愛すべきオヤジ、ソン・ガンホ主演「タクシー運転手 ~約束は海を越えて」を観ました!!
いやぁ、ボクにとって、ツボ!ツボ!ツボ!!
まず、笑いました!!ゲラゲラ笑いました!!
そして、泣きました!ボロボロ泣きました。
しかし、悲しいこともあったけれども、主人公は無事に家族の元に帰ることができて、何より、民衆の自由のために!!使命を果たすことができた!!「光州事件」という重く悲惨な題材を描いており、考えさせられる部分も多いけれども、映画の後の爽快感、ホッと心をなでおろすことができる映画でした。
ホントに、名作!!
みんな、是非観てください!!

いい顔のオヤジ、大好き!

ポン・ジュノ監督「パラサイト」を観て、改めて韓国映画の面白さを知りました。

そのパラサイトでも主演だった、ソン・ガンホさん。
韓国「非」イケメン俳優代表!の名優らしいですが、庶民的なオヤジの役が見事にハマっている!
そして、この作品の優れているところは、思いっきりソン・ガンホ演じるタクシー運転手に感情移入しちゃうところ。
小市民的に、金を稼ぐために、ずる賢く生きようとするけれども、「優しさ」「人の好さ」「正義感の強さ」で何故か損をしてしまう、そんな憎めない人情味のある人柄を、映画冒頭から、漏れなくエピソードを仕込んで、観客の心は、いつの間にかソン・ガンホさん演じる主人公に鷲掴みにされているのだ!!

ボクにとっては、「オヤジと娘の絆」これもツボ!!

主人公には娘がいる。
体の大きな、自分の大家の息子とけんかして、お互いにけがをしてしまうような、おてんば娘。
しかし、話が進むにつれて、母親を病気で亡くし、父一人で育ててきたことがわかる。
軍により電話線も切られてしまい、陸の孤島となった光州、タクシーが故障し、約束通り帰ることもできなくなった時、何より、主人公が怒り、心配したのは、ソウルにいる「娘と連絡が取れない」ということ。
当初は、何より「金」が目的だったハズの主人公だが、怒り狂い、光州のタクシー運転手達に当たり散らす主人公を、何とか収めようと、追加で金を渡そうとするドイツ人記者に対して、「金なんかいらない!!」
翌日、主人公は、何としてもソウルに帰ろうとする。

そう、エピソードの最初の部分で描かれているが、その日は、娘と出かける約束をしていた日だったのだ。

しかし・・・

どこかで見たような車が大活躍!!驚きのアクションシーンまで!!

主人公が運転する緑色の小さなタクシー、何となく懐かしく、どこかで見たような車なのですが、韓国起亜自動車の「ブリザ」という型で、日本車のマツダファミリアのノックダウン車だそうです。
なるほど、懐かしく感じるわけです。
しかし、この頃の普通乗用車って、緑色もあいまって、本当に小さく見えますね!(軽自動車じゃないんですよね!これが)

メイキング映像も公開されています。
光州の街並みは、一部合成で再現したようですが、どこが合成なのか、全く違和感なく観ていました。
韓国の街並みは、やはり、日本にも近いものがあり、右側通行、左ハンドルという大きな違いはあっても、非常に親近感がわきます。

そんな、日本人にとっても、なんとなく懐かしい光景の中で、軍が市民に銃を発砲します。

市民が撃たれ、容赦なく破壊されるタクシー。

監督は映画の中で、白昼、遮るもののない大通りでの、市民に対する軍の攻撃を、リアルに描きました。
日本人にとっても、衝撃的に感じる光景ではないでしょうか?
そして、その光景は、1980年、比較的最近、韓国で実際にあった事実なんですよね。

いやぁ、本当に近くて遠い国、韓国。。。
本当に、日本の近現代史の教育にも疑問を感じる。
お隣の国なのに、朝鮮戦争以降の政治史なんて、日本の学校では全くと言ってよいほど習わなかった。。。

ヒーローだけど気取らない、そして仲間の友情、そこにロマンが詰まっているのだ!!

弱い庶民の代表のような、しがないタクシー運転手。
ソウルでは、学生運動のデモも、どこか他人事で、反感さえ覚えている。
ところが、光州に来て、ドイツ人記者と行動を共にするうちに、自分を助けてくれた優しい、いや、ごく普通の光州市民が、軍の暴挙の前に倒される姿を目の当たりにして、主人公の「人間としての正義感、使命感」が燃え上がる。
その後、軍が隠そうとする、光州の実状をスクープするために、記者とタクシー運転手の主人公は、いわば、光州市民の希望の星、ヒーローとして、光州市民の力を借りながら、軍の追手から逃げることになる。

クライマックスシーンには、なんとかなり派手なカーアクションシーンまで盛り込まれている!!

いやぁ、本当に、比較的最近の、軍が市民に武器を向けるという、悲惨で歴史的かつ政治的な事件を、笑って、泣いて、ドキドキハラハラ!させる、そして、あくまで、客観的に、歴史を捻じ曲げることなく、エンターテインメントに昇華させる韓国映画は本当に素晴らしいと思いました!!

6月1日に、NHKBSプレミアムで放送していたものを録画していたのですが、なんとその後、AmazonPrime会員特典で会員の方は無料になっておりますし、是非この機会にご覧になることを強くおススメします!!

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