TIF2024について思うこと

 TIF2024に、僕の推しグループであるマジカル・パンチラインは出ません。選ばれませんでした。
 それがこの文章を書くきっかけではありますが、あくまできっかけです。それはそれとして、言いたいこと――はっきり書くならば、今のTIFへの批判――を書きます。
 まだ最終発表ではありませんが、タイムテーブルが公開されたということで、ほぼ確定だろうという前提で。
 なぜ、今年のTIFにマジパンが選ばれていないの? はっきり言って、疑問しかないです。まだ最終的な数は分かりませんが、おそらく今年も200組前後のアイドルが出場しているでしょう。そりゃあ、マジパンより売れているアイドルはたくさんいます。でも、200位以内に入っていないとは思えない。この中で(椅子ありとはいえ)Zeppをソールドしたグループがいくつありますか? オリコンウィークリーで一桁に入ったグループがいくつありますか? しかもそのどちらも、今年のことですよ?
 ましてマジパンは、デビュー以来ずっとTIFに出ていて、TIFの盛り上げに貢献だってしてきたはずです。スナックうめ子にチーママ候補として出演したり、カラオケ大会の司会をしたり。
 いや、それだって、もっと貢献したグループはあるでしょう。そう、あるんです。純情のアフィリアとか、風男塾とか。百歩譲って、マジパンが出られないのはいい。でも、この2グループが出られないのは、マジで意味が分からない。
 だってどちらも、第一回のTIFからの皆勤組ですよ? 僕の記憶が正しければ、他に皆勤しているのはSUPER☆GiRLSしかいないはず(著者注:アイドルカレッジも皆勤している、との指摘を受けました。謹んでお詫び申し上げます)。たった三組しかいない皆勤組のうちの二組が出られないなんて、ありえないでしょう。どちらも、活動を休止しているとか解散寸前とかじゃないんです。現役バリバリで活動してるんです。これが、20組しか出られません、なら落選するのも分かる。でも、200組ですよ? 200分の2ぐらい、功労者に割いたっていいじゃないですか。
 マジパンも、アフィリアも、風男塾も、売れていないっていうなら分かる。でも、率直に書きますけど、既に出場が発表されているグループの中には、ろくに聞いたことすらないようなグループがいくつもあるわけですよ。彼女らそれぞれの活動や頑張りを否定する気は別にありません。でも、彼女らが選ばれてマジパンやアフィリアや風男塾が選ばれない理由はまるで分かりません。

 さらに、これはまだ確定ではない情報であると断ったうえで書きますけど「スナックうめ子」が今年は開催されない、という噂を聞きました。

 何気なく読み流していましたが、タイミング的に、河村さんのこのポストは、今年のTIFではスナックうめ子がない、という意味に受け取れます。というわけで、これでもし普通にスナックうめ子が開催されたら赤っ恥、という前提で書きますけど。

 何考えてんの。アホちゃうか。

 批判において、汚い言葉は使わない。それは僕のポリシーです。でも、それを破ってあえて書きます。アホちゃうかと。
 TIFってなんなんですか。世界最大のアイドルフェス。そのとおりです。フジテレビが集金するためのイベント。それも否定する気はありません。坂道や48系が呼べるフェス。別にそれもそれでいいでしょう。
 でも、TIFのTIFらしさってなんなんですか。別に懐古厨になる気はありません。もう十年近く前に解散したアイドリング!!!を敬えという気もない。その色が薄まっていくのは仕方がないことです。
 じゃあ、我々が愛したTIFってなんなのか。それは、上から下まであらゆるアイドルが一堂に会しながら、緩くわいわい交流できる平和な雰囲気だったんじゃないでしょうか(もう「だった」と過去形で書きます)。
 スナックうめ子って、ある意味その象徴だったと思うんですよね。ちゃんとしたオファーもなく、出番終わりのアイドルがふらっと現れて、台本関係なしにゆるっとトークをする。ああいう空気感、あったかさこそが、TIFなんじゃないかと。ロックフェスや海外フェスにはないあのぬるーい感じこそが、唯一無二のTIFの美点なんじゃないかと。
 酒井瞳、河村唯は、たった二人だけの、14回に及ぶTIF出演皆勤者です。酒井瞳、河村唯、純情のアフィリア、風男塾を切っておいて、あったかさもクソもないでしょう。

 もちろん「TIFとはなにか」については、いろいろな考えがあると思います。これはあくまで僕の考えでしかありません。でも、同じ気持ちの人もきっと多いんじゃないか、と思います。
 今回、TIF2024開催にあたって、プロデューサーの菊竹龍氏はこう書いています。

TIFとしての良い部分は残し、変わっていくべき部分は変えていきます。
TIFはこれからも、変わらない為に、変わり続けます。

 僕の目には、そうは見えません。どう見ても、よい部分を変えていっているようにしか思えません。
 正直、この手のフェスの開催に多額の経費がかかることは分かります。チケット代の値上げはキツいですが、理解します。集客第一で出演者を選ぶ――はっきり言っちゃえば、坂道や48に媚を売る――のも仕方ありません。お金儲けを否定する気はさらさらない。
 でもだからって、TIFのブランド価値を切り売りしたら、なんにもなりゃしないですよ。「TIFに出る」ことを目標にするアイドルグループが全国にたくさんあって、その夢を叶えてあげることをそのまま商売にするのは、焼畑農業と同じです。せっかくここまで育て上げたアイドル文化を焼き払うに等しい行為だとしか思えません。現に、毎年のように問題が指摘されているメインステージ争奪戦は、年々殺伐としていっています。現在SHOWROOMで開催されている最後の出演者をかけたイベントは、ちっとも盛り上がっていません。
 この状況を招いておいて「TIFとしての良い部分は残し、変わっていくべき部分は変えていきます」との言です。
 まったく、一ミリも、納得できません。

 別に僕は、TIFのいいお客だったわけではありません。毎回行っているわけでもないですし。ただ、今回の件でひとつ、はっきりしました。
 TIFは「今後二度と行かないフェス」になりました。たとえ自分の推しグループが出ようと、です。
 それは意固地すぎるだろ、という批難もあるでしょう。意固地であることは認めます。でも、仕方なくないですか? 自分が好きだったものが、名前だけを借りたまったく別のもの――ただたくさんアイドルを集めて、集金するだけのイベント――になってしまったら、「好き」の感情の分だけ「嫌い」に振り切れるのは、普通のことですよね?

 今回、僕はTIF2024についてボロクソに書きました。書き過ぎだろうとは思います。それも否定しません。でも、スナックうめ子を、純情のアフィリアを、風男塾を、マジカル・パンチラインを切ると決めた以上、当然、そういう批判やファン離れはあると覚悟していたはずですよね?
 だから、期待に応えて、書きました。これが、あなたたちが望んだTIF――という名前のなにか、です。

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