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マジパン思い出話第七回 マジカル・パンチラインというパレードは続く

 年度が改まった2017年4月、佐藤さんは高校を卒業し、浅野さんは高校二年生、ひまわリーナは中学三年生になりました。
 僕が、二度目にマジカル・パンチラインのパフォーマンスを見たのが、4月30日、名古屋のサンシャインサカエでのイベントでした。ちょうど東京へ行く用事があり、その帰りに立ち寄ることができたのです。「MAGiCAL MYSTERY TOUR」の楽曲を、このとき初めて生で聴くことができました。Fitsの影響か、若い女性がとても多かったことを覚えています。あと、公開リハーサルのときに、那由他のフリで清水さんのハイキックを沖口さんがくぐるはずが、タイミングに失敗して思い切り蹴っ飛ばしてしまったことも(笑)
 特典会は、このときも全握のみ。佐藤さんには「元気になってよかった、これからも応援する」と伝え、小山さんには、先日の定期公演でのパフォーマンスを絶賛しました。

 6月15日には、1stシングル『パレードは続く』発売と1stワンマンライブ開催を発表。いろいろあったあとだけに、その前向きなお知らせにファンはみな胸を撫で下ろしたものです。
 そして7月15日、新宿ReNYにて、1stワンマン「World’s End Wonderland: Episode I」が開催されました。ドルオタに片足をつっこんでいたとはいえ、あくまで貧乏地方民。ライブのためだけに東京へ行くという発想はなく、大阪の自宅から配信で見ていました。
 チケットは無事ソールドアウト。とはいえ、不安は二つありました。ひとつは、メンバーの体力。特に清水さんは、定期公演の一時間のライブですら、後半はふらふらになっていました。もうひとつは、持ち曲の少なさです。「パレードは続く」の収録曲を合わせても、13曲。ワンマンライブをするには心許ないと言わざるをえません。
 その二つを一挙に解決し、かつマジパンらしい世界観を現すためにとられたのが「ラジオドラマ風演出」でした。アルバムの収録曲順にセットリストが組まれ、魔法学校の生徒という設定で、一曲ごとにその曲の裏設定のラジオドラマが挟まれます。世界観を伝え、かつ少ない曲数でワンマンのボリューム感を出す、よく考えられた演出だったと言えるでしょう。ちなみに、個人的意見ですがこのときもっとも演技達者だったのは浅野さん。
 マジパンらしい物語感のある素晴らしいライブで、本編ラストを新曲「パレードは続く」で締めたのもエモーショナルでした。
 詳しいレポはこちらの記事をどうぞ。

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 僕がとうとう専用のTwitterアカウントを作ったのが、ちょうどワンマンが終わった少し後でした。そのころは「ドルオタじゃない、あくまでウォッチャーだ」とtweetしていたんですが……その後どうなったのかはお察し。
 というわけで、ドルオタへと一歩踏み出してしまった僕ですが、アカウントを作ったことでさらに深みにはまろうとします。
「推しからの『認知』がほしい!」
 やはり握手会等で、認知があるのとないのとでは充実度がちがいます。かといって、東京遠征もままならない地方民では、現場に通って認知を獲得するのも難しい。そこで考え付いたのが、マジラジへの投稿でした。新規(結成からずっと推しているのは目をつぶってください)だったこともあってか「タイガーゲートでゲットだぜっ!」のコーナーにて無事採用。
 そして、7月29日、とうとうマジカル・パンチラインが関西へとリリースイベントへとやってきました。忘れもしない、TSTAYA戎橋。地元凱旋の沖口さんがにこにことMC。端のほうには、沖口一家と思しき家族連れの姿もありました。このとき沖口さんは、過酷イベと名高いヤンジャンのグラビアイベント「サキドルエース」に出ていたのですが、告知もほのぼのとしていて強要感なし。特典会中もわちゃわちゃしているメンバーを見ているのが微笑ましく、多くの人が最後まで残っていました。改めて、平和でいい現場だなと。
 そしてついにこのとき、浅野さんと初めてのツーショットを撮ります。自分が少々前のめりなのが恥ずかしいですが(汗)最初ということでマジパンポーズ。このとき「先日ラジオで読んでもらったウバです」と名乗りました。

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 加えて、私物サイン会でも目立とうという作戦に出ました。このころ、私物サイン会で炊飯器や空気清浄機を持ってくるオタクがいて、それが話題になっていたのです(きっかけは、さとれなが「炊飯器でもなんでも書くよ!」とツイートしたことから)。というわけで自分は、ギリシャ神話や星座が好きな浅野さんの心にヒットするよう、望遠鏡を。

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 さらに、認知をより確実にすべく(戦略的で嫌なオタクですねえ)始めたのが、AntS天文夜話。星座好き&豆知識好きの浅野さん向けに、豆知識になるような星座や天文の話を1日1tweetにまとめ呟こうというもの。一週間に一度にしようかとも思ったのですが、それだと確実に忘れてしまうと思い、毎日にしました(後にこれが己の首を絞めます)。とりあえず8月いっぱいということで、31話まで続きます。

 そんな風に様々な策を凝らしましたが、一度のイベ参加では、覚えてもらっているかをたしかめる術もなく。次回のイベント時に覚えてくれているといいなあ、とぼんやり思っていたのですが、その機会は意外に早くやってきました。
 8月に入り、とうとう「パレードは続く」のリリース週が近づいてきました。そこでふと、自分のスケジュール帳を見ます。
「あれ……リリース週の週末、ぽっかり空いてるぞ?」
 時期柄、青春18切符で行けばお金は安く上がります。よーし、行っちゃえ! とほとんど思いつきでつっこむことに。
 土曜日、始発電車に乗って鈍行列車に揺られ、16時スタートのお台場でのリリイベにぴったり間に合いました(片道11時間)。ここがあの浅野生誕で赤のサイリウムが揺れたガンダム前かー、と感慨を覚えます。
 日曜日はさらに過酷なスケジュール。12時スタートの品川での東京アイドル劇場から始まり、原宿の別現場、池袋のニコニコ本社でのマジパンリリースイベント、さらに夜は代官山にて別現場という怒涛の四現場回し。今から冷静に振り返れば、これで「ドルオタじゃない」は説得力がありません(ただ、これに懲りて、こういうことは二度としないでおこうと思いました)。
 個人的に印象深かったのが、ニコニコ本社でのリリースイベントです。リリイベ最終日ということもあって、ライブは大盛り上がり。時間が伸びて、急遽サインの予定をチェキに切り替えました(サインの順番が最後で、間に合いそうになかったのです)。しかし、これが大正解。ニコニコテレビちゃんの被り物があったので、それをかぶって「全力笑顔で抱きついてください!」とリクエストしてできたチェキがこちら。結果として、この日以降今に至るまで、一度も変えずTwitterのアイコンとして使い続けることになりました。それは「どれだけ他現場へ行こうと浅野さんのアイコンを背負う」という、推しへの気持ちを表すことができたと思っています。

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 立て続けにイベントに参加することで、無事に浅野さんから「星のことを呟く変なおっさん」として認知をもらうことができました。ニコニコ本社で浅野さんとチェキを撮ったあと、ステージで「疲れたねえ」という風に座りこむ佐藤さんと沖口さんに「リリースイベントお疲れ様!」と声を掛けたら、手を振り返してくれたのはいい思い出です。

 というように、ドルオタとしての個人的な体験を綴ってきましたが、シングル「パレードは続く」についても、まとめておくことにしましょう。
 これまでミニアルバムを立て続けにリリースしてきたマジカル・パンチラインが、満を持して出すシングル。個人的に「実はマジパンにとってとても大事な曲」だと思っています。
 前稿にて触れたとおり、マジカル・パンチラインは大きな危難を迎えたところでした。そのうえで、歌詞の最初が「雨上がり 雷雲が過ぎて 鮮やかな太陽が覗いた ずっと待ってた眩しい朝に 新しいブーツ履いた」です。これで、ぐっと来ないはずがありません。事件の前から用意されていた曲だろうとは思うのですが、当時のマジパンの状況にぴったりと合致していました。
 アイドル――特にマジカル・パンチラインの魅力は、まさに「パレード」だと思うのです。華やかで、平和で、楽しくて、人々を笑顔にしてくれる行進。マジカル・パンチラインの「パレード」はまだまだ続く。苦難を乗り越えたメンバーに、我々ファンに、明るい灯をともしてくれた、大切な曲です。
 また、このときカップリングとして収録された「マジック☆ガール」は、実はお試しの練習曲としてマジパンが最初にレコーディングした曲でした(ただし、歌詞は一部当時と異なりますし、新録です)。これが、人気曲として後々まで歌われることとなります。「マジパン始まりの曲」をこのタイミングで持ってきたことに運営の意志を感じる、と受け取るのは、考えすぎでしょうか。
 「パレードは続く」は、オリコンデイリー8位、ウィークリー14位を勝ち取りました。半年前の暗い影を払拭する、充実の結果であったと言えるでしょう。

 最後に『パレードは続く』リリース日に、マジパンの魅力を長文で(当時から長文厨だったのですよ)語ったTwitterでの呟きをそのまま掲載し、本稿を締めることとしましょう。

 さて、本日はマジパンファーストシングル「パレードは続く」発売日。これを機に、今までつらつら思っていたこと、「マジカル・パンチラインの魅力とはなんぞや」について、無駄に熱く(苦笑)ゆるゆる語ってみようかと。どれくらいの長さになるか分かりませんが連ツイお付き合いください。
 マジパンの魅力その1。言わずもがなですが、とにかく可愛い。可愛いは正義。いろいろキワモノが出てくる昨今のアイドル界、やっぱりアイドルは可愛さあってなんぼ。なにより、全員可愛いってのが素晴らしい。しかも、全員、生で見るほうが可愛い。ぜひとも生で会っておくべきアイドル。
 でもマジパンの可愛さって、ただ顔面だけの話じゃないんですよね。よっぴーさんが言ってましたが、とにかく愛嬌がある、と。常にニコニコしてるし、握手会対応もいいし、レスも多め。一言で言うと、ホスピタリティがある。サービス精神旺盛。常にファンを楽しませようって思ってくれる。
 アイドル界トップクラスの顔面の女の子たちが、全力でお客さんを楽しませようとしてくれるんだから、楽しくないはずがない。ただ眺めているだけでファンが幸せになれる現場、それがマジパンじゃないかと。で、その大きな源のひとつが、さとれなのプロデュース力じゃないかと思ってます。
 というわけで魅力その2はさとれなのプロデュース力。アイドリングで培ったエンタメ精神。他のアイドルさんだと、自分が目立ちたいとか、メンバーに気を遣って変な空気にしちゃうとかが散見されるんですが、アイドリング及びマジパンはそれがない。常に、ユーザーの満足を第一に考えている。
 だから、MCもテンポがいい。罰ゲームも思い切ってやる。恥ずかしいとか嫌われたくないとかより、場を楽しませることが優先。握手会もファンの満足を考えてる。そういう空気を作ってるのって、まちがいなくさとれなの力だと思う。正直自分は、そこがなければマジパンにはまってなかった。
 さらに言えば、やっぱさとれなのセンスってすげーな、と思う。よくあのメンバーを選んだ。よく五人に絞った。衣装や髪型もすごく細かいところまで考えられている。あのセンスは天性のものだと思う。そして、そのセンスをきちんと実現させてくれた運営がまたすごい。というわけで次は運営。
 センスを反映させてるって意味でマジパンがさとれなプロデュースなのはまちがいないところですが、実質マジパンを運営し動かしてるのはシマムラさん。でもシマムラさんのなにがすごいって、いくらアイドル経験が豊富とはいえ、17歳の女の子の意見を全面的に取り入れ、信用しているところ。
 たぶん板ばさみで苦労するところも多いだろうけど、さとれなのセンスを信用し、その実現に全力を尽くしてる。楽曲にしても、Tom-H@ck氏に全面的に委ねている。人間なんでも自分でやりたがるもので、周りを信用して任せるってなかなかできない。そこを思い切って任せてるのはえらい。
 そしてなによりマジパン運営は、ファンのことを信用してくれてる。そこはすごくありがたい。先日の横丁金魚の件もそう。性善説でファンのことを見てくれるから、こっちも居心地がいい。だから誰もシマムラさんのことを呼び捨てにしない。お互いに敬意を払えているってすごくいいこと。
 変なハードルを作らないところも好き。何リツイートで何々とか、何人動員できなきゃどうこうとか。そういうのって一時的な売上には繋がるけど、ファンの幸せには繋がらない。それがないから、こっちも平和な気持ちで参加できる。長い目で育てようとしている感じは、推していて気が楽。
 その4は、長期的視野を持っているところ。アイドル界で売上を出す、って短期的目標じゃなく、非アイドルオタにも支持されるアイドルを目指してる。目指せ国民的アイドル。高い目標なのでそれが実現するかどうかは別として、そういう向上心の高さはマジパンの大きな魅力のひとつだと思う。
 まとめます。マジカル・パンチラインの魅力とはなにか。
  その1.顔面偏差値と愛嬌
  その2.さとれなのプロデュース力
  その3.ファンを信用する良心的運営
  その4.長期的視野を持った高い目標設定
 他にもいろいろあるけど、自分としてはこの四つが大きい。
 魅力をつらつら並べましたが、もちろん課題もある。メンバーのスキルとか、キラーチューンがほしいとか、HP見やすくしてくれとか、YouTubeやHPにもっと動画や画像上げてくれとか。でもそれは、これからに期待。っていうか、まだまだ伸び代がありそうなところも魅力のひとつかな。
 正直まだ語り足りないところはありますが(苦笑)このへんで。ってか、メンバー個人個人の魅力は全然語ってませんから(それ語るとどれだけの長さになるやらw)。とにもかくにも「パレードは続く」が売れて、マジパンの魅力が広く伝わることを願っています。みんな、マジパン行こうね。

※推しとツーショットを撮ったうえ東京遠征に行き認知までもらえたので、この時点でのドルオタ度60%

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