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『 蘇る地球 』

地球から遠く離れた星に生きるリラは、ロングのシルバーの巻き毛が美しい、笑顔の素敵な女性だ。見た目は地球人類と似ているけれど、ほとんど透明のように白く透き通った肌をしている。もともと好奇心が旺盛でやんちゃなリラは、地球を救うお手伝いのためにと、地球に向かいました。どんどん弱って荒れていく地球にひかりを広げるのがしごとです。

 降り立った地球は薄暗く、どんよりと重苦しい波動で満ちていました。
「さて、ひかりを広げるために必要なものをそろえなくちゃ」とリラはまず、まっすぐに太陽に向かって元気に伸びるひまわりの花を手にしました。ひまわりはたっぷりと太陽の光を吸収して大きく育っていて、力強いひかりを広げることができるからです。 そしてふわふわと探し回りながら、次はキンセンカの花を手にしました。キンセンカもまるで太陽の分身みたいな鮮やかなオレンジ色や黄色の美しい花をたくさん咲かせてくれます。一面に鮮やかなひかりを広げることができるでしょう。 それからリラは、たんぽぽの花も手にしました。たんぽぽも小さいけれども地面に近い低い場所にたくさんの黄金のひかりを広げてくれるに違いありません。かぜにのって、ふわふわと遠くまで種をとばすのが得意だしね。

「さて、あとは最強の助っ人にお願いしに行かなきゃいけないわ。」とリラは、森にみつばちさんを探しに行きました。森の入り口の大きな木に、みつばちさんの居所を尋ねると、「ここにいるさ」と。リラがあたりを見回すと、目の前の大きな木の根元にミツバチさんたちの巣を見つけ、「みつばちのみなさん、わたしと一緒に地球にひかりを広げるお手伝いをお願いできないかしら。」みつばちさんたちは快く引き受けてくれました。さあ、ひかりを広げるおしごとのはじまりです。

 みつばちさんたちとともに、力強いひかりを放つひまわりや、鮮やかなひかりを放つキンセンカ、そしてかわいらしい黄金のひかりを放つたんぽぽを、地球上のあらゆる場所に咲かせました。花が咲き乱れ、地球はどんどん明るくなっていきました。 地球が美しくあたたかなひかりで満たされるとリラは、花々やミツバチさんたちに感謝して、なかまたちの待つ星へと元気に帰っていきました。

すると、自然から離れ、ちょっと傲慢になってしまったことで地球を弱らせてしまっていた人間たちも、花を見て笑顔がもどり、からだもゆるみ、争いもなくなっていきました。気持ちにゆとりが出てくると、せっせとはたらくみつばちさんたちの姿も目に入るようになります。 その健気な姿に感謝の気持ちを抱くとともに、自分たちも自然の一部だった、地球上に生きるたくさんの生命体のたすけをかりて生かされているんだ、ということに多くのひとが気づき始めました。

 こうして地球は、地球に存在する全ての生命体たちがたすけあい、エネルギーを循環させながら、ますます美しい星になっていきました。

おしまい。       

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