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『ずっと独身でいるつもり?』で幸せについて考える

試写会の良いところは、自分では絶対に選ばないような作品に巡り会えることだ。 フィルムマークスで夜の東京をバックにこちらを振り返る田中みな実のメインビジュアルを見にしても、私は素通りしていただろう。 「仕事」という名目は、自分の嗜好では辿り着かないようなものと出会わせてくれる。 そしてなんの思い入れもないからこそ、より引いたところで冷静に鑑賞できるのも楽しい。 話の軸になるのは同じ東京の空のもと、全く違った生活を送る4人の女。 売れっ子ライターの田中みな実。 彼氏と同棲予

    • 「想像」の塊な私たちに「偶然」がもたらすこと

      偶然に起きたことから始まる3つの物語。 3人の主人公たちはみんな勘違いをしている。 「元彼は未だに私のことを人生で一番の女だと思っているはずだ」 「私には人より秀でていることが何もないんじゃないか」 「駅で偶然すれ違ったこの女性は、20年前の恋人に違いない」 それぞれの勘違いは、現在の交流の中で解かれていく。 「自分」とは「過去」の結晶。 「過去」とは自分の中にしかない、ある種の「想像」でしかない。 「想像」でできた「自分」。 偶然、自分の想像の世界に他者が介入した

      • 『ちょっと思い出しただけ』の池松壮太の部屋のシーンが好きだ

        最近、終わりから始まるラブストーリーが多い。 終わりを知っているとどのシーンにも影が落ちてしまう。 幸せそうなシーンほど白けてしまう。 でも、そもそも私たち、別に何かのゴールに向かって生きてるわけじゃない。 この映画がオマージュしている、ジム・ジャームッシュの「ナイト・オン・ザ・プラネット」はまさしくそういう話で。 タクシーの中のような、「通過点」と思われがちな場所にも物語はあるんだよ。 ただ目の前を通り過ぎていく人とも、私たちはどうしようもなく関係を持ってしまうし、関

      『ずっと独身でいるつもり?』で幸せについて考える

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