占いは心に優しいシステム

私は元々占いが嫌いである。
いや、正確に言うと、占いに頼るのが嫌いであって、占いが嫌いなわけではないかも。
ただ、蟹座の運勢と言われても信じなかっただけ。
何も信憑性がないというか、当たるはずがないと思っている。

10代の頃、占いに頼ったら負けだという気持ちが強くあった。
占いなんかに頼らず、自分の力で自分の人生を切り開いて行くんだという気概と自負があった。

だが、最近、占星術の奥深さに魅了されている。
というか、単純に、自分の人生を考えるとっかかりが欲しいのである。
占いで人生が分かるはずがないと思っていても、仮説作りには最適なんだよな、と思う。
そう、仮説である。
占いとは人生の仮説にすぎないし、仮説を作るのに役に立つ。
それは私にとっての占いの活用法だが、世の中にはもっと占いで癒しを得ている人も多いようだ。

占いの世間一般イメージだと、なんか答えを出して貰うようなイメージが強いと思うのだが、それって本来宗教だよね。
宗教の人も、占いでは答え出せないでしょ、教えを与えるのが宗教なのよ、だから宗教はいりなさいと言う。
占いは、未来を見るだけでしょ、と。
それでどうしたら開運するかは、宗教で修業を積まないと!教祖様のお告げを貰わないと!と。
答えを出して貰う占いって、宗教でお導きを貰うのを、宗教に入信せずに簡素化し大衆向けの娯楽要素プラスしてやったものな気がする。
つまり宗教に入りたくはないけど宗教のお力は欲しいというニーズによって生み出されたというか。

それとは別に、いわゆる星占いをもっと詳しく知っていくと、こんな場面に出くわす。

水星が逆行してるからコミュニケーションに齟齬がでやすい、思いがうまく伝わらない、全て水星逆光のせいだ!

こういう無邪気な責任転嫁も、意外と人の気を楽にしているようで、結構重要な息抜きになるらしい。
占いというのは、心を軽くする作用がある。
それこそ、占いの功績だろう。

だからこそ、占い頼るなんて心の弱い人がすることだみたいなイメージもあるのだろう。
でも、心を非現実なところから支えるって、結構重要なんだよなあと、この歳(35歳)になると思う。
現実だけだと、逃げ場ないし。
また、世の中の出来事には、これがあったからああなったという明確な理由がないことも多い。
それを占いというものによって理由づけされると、なんか、ほっとするというのは多くの人が占いを頼る要因だろう。
最近周りとうまくコミュニケーションが取れないのは、水星逆光のせいだったのか!私の性格が悪いせいじゃないんだ!
私が自分の事をうまく話せないのは、太陽と水星がコンバーストしてるせいだったのか!!!口下手なのも、そのせいか!
とか本格的な星占い、つまり西洋占星術から自分の星の宿命を見ると、なんか気やすめでもちょっと面白いし、妙な腑に落ちる感がある。

大体、占いを理由にすると、自分を含めて、誰かを傷つけなくて済むんじゃないかしらね。
だてそういう星周りだから、星の配置だから、そう言えば、人格を否定することもない。
占いを使うのは、結構優しいシステムなんだなあと、思い直している。

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