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舞台『ブラック・ジャック』観劇(3/26に追記をしました)

⚠BJの感想というより富田麻帆さんの感想
⚠原作知らない
⚠けど畸形嚢腫きけいのうしゅとピノコちゃんについては事前に調べた
⚠そもそも舞台観るのが人生でまだ3作品目
⚠最初から最後までネタバレしかない
以上ご理解いただける方のみ、この先を進んでください。

初日を見終わった後一時間で書きなぐったやつの中から辛うじて人に読まれても大丈夫な範囲を抜粋して整えた文章なので読み苦しいところが多々あります。もう自分用のをただオープンな場に公開しちゃっただけなテンションで読んでくださると……。
千秋楽見ての書き足しもあります。

まず初日

畸形嚢腫ってなんぞや?ってことを調べた時にピノコちゃんの事も調べたので、ピノコちゃんが姉の身体の中で18年間生きてたし、ブラックジャック以外の人間による手術は不思議な念力で出来なかった、みたいな事は頭に入ってたんだけど逆に言えばほか何も知らなくて。あ、まあブラックジャックが免許持ってない闇医者?ってことと、治療費がめっちゃ高いってことは知ってましたが……。

そんな状態で見てたので、麻帆さんの役はどんな人なんだろ〜なんか所作的には結構、性格尖ってそう……?くらいに思い馳せながら人面瘡は見てて、でいざ出てきたら身体痛そうにしてたので患者じゃん!!ってなって、えっ、ピノコちゃんの姉!?18歳?皇族の遠い親戚なんですか?!ってまず設定がぐさぐさと刺さっていく。

三輪さんと話すシーン。自分B列にいたもんで、麻帆さんのおめめがどんどんうるうるになってるのが見えて、泣いちゃうやつだ、となりつつ、まず普通に男性見上げてるだけでかわいいなぁと思ってしまった。見上げてる顔かわいい。
おくびのラインが相変わらず大変美しく、そして三輪さんに御手を取られた時の手首が華奢細でワッ!ってなったしそれによって上がった肩もスンって綺麗だったし、手もすらっと綺麗で、ああ麻帆さんは頭のてっぺんから指先、つま先まで綺麗で可愛いなぁなんてここで思ってしまった。でも動きが少ないからこそとてもとても凝視できてオタクは助かった。
なんて思いつつ、しっかりとお話の内容も頭に入ってますのでそこは、ね。ご理解いただいて。

手術前とかここのシーンとかの、三輪さんに助けを求めるような目線に心がキュッとなってしまって。想いを寄せていながらにそれを口に出すことは出来なくて、それでも1歩踏み出して少しだけだけどお話して。煮え切らない複雑な感情を湛えて。18歳か、幼いな……と思いながら見てた。幼くて、未熟で、分別を覚えたてで上手く感情を制御しきれないような、そんなものを感じ取った。

私はさ、ピノコちゃんに会った時にさ、なにかを期待してたんだと思うんですよ。だってあんなに自分の体にあった時は愛おしそうというか、ちゃんと自分の身だったし、切り取られたあとも自分の半身として消失感に苛まれてたからさ、だから私は「私の知っている妹じゃありません」って言われた時すごくショックだったんだよね。
ピノコちゃんについて調べた時に、姉との関係性があまり好ましくなさそうなのも見て読んでたから、なんでそうなっちゃったのか途中まで疑問だったし、実際舞台上で拒否された時だってなんで拒否してしまったのかわからなくて。
「騙されてはいけません」って言われたからそうやって突き放したの?本当は信じたかったし自分の中で生きた妹だって思ってたけど、他人に望まれた自分でいなきゃいけない(なんかいいとこの子ってそういうのありそうじゃん?)からって嘘ついたの?って、そう思いたかったけど、そうだったら手術する前だってあれほどしっかりと自分の意見は言えてなかったと思うんだよね。だから、本当に「違う」って思っちゃったんだろうな、とかをぐるぐる考えてしまった。

姉として思い描いていた、自分の半身である妹。文字通り体を削って生きてきた妹。その姿が、実際に「はいこれは貴女の妹です」って目の前に突きつけられた時にギャップが生まれてしまって、それで違うってなっちゃったのかな。18年間も頭の中で育ててきた自分の中の妹像と現実が乖離しちゃったのかな。
だって共存してきた時は自分の体を蝕みながら生きて、手術されようものなら不思議な力で人間をねじ伏せて、そうやって傲慢に、かつ「人間」の当然の権利として生きることを主張してきた、強い妹が、めぐみさんの頭の中にはいたと思うんだよね。なのに突然、小さなからだで、言葉も半端で、歩行もまだ不自然な状態で顕現してきて、自分を不安げな瞳でみつめてきたら、違うってなっちゃうのかもだし、まだ齢18の女の子には難しい現実だったのかもしれない。
とかなんとか、だらだらとたくさん思い馳せてしまうくらいには私はここがすごく引っかかったというか、自分の中で上手く消化できないし、この舞台に対して精神的に引っ掛かりを抱えて体験する、という意味では消化したくない気持ちでもある。

逆に、畸形嚢腫を切除した後あれだけ心の穴を感じ、痛み、辛く思っていた彼女にとって、妹の現在がはっきりしたこと、生きていること、結果それを受け入れられずきっぱりと拒否したことで胸の中のしこりってとれてくれたんじゃないかな、今後前を向いて新しい出会いと希望の光を見つけるために生きるのに必要な過程だったのかもな、とも考えられた。

ブラックジャックだけじゃなくて、慈お姉ちゃんもさ、ちゃんと妹のことを人間として見てくれていたんだよ、ってことは一生伝わらないのだろうか。知らないまま、生きていくことになってしまうのか。

……あら、わりと真面目に喋っちゃった!でもここ本当にしんどかったし、千秋楽でまたここを突きつけられると思うと辛い。

カーテンコールっていうの?拍手してる時にお辞儀してくれるやつ、にこっとわらっててかわいかったね!麗しかったヨーーン、𝑳‌𝑶‌𝑽‌𝑬(IQ3)
すん、としたお顔でお辞儀をして、顔を上げたあとにこりと微笑み、ほかの人たちみたいに手を振ったりもしないであっさりと帰ってしまうのすごく刺さった。失恋した(?)
(全編通して)本当に本当に佇まいが好き好きッ!!てなった!かわいい〜


二回目、千秋楽

出てきてすぐ「初日より18歳らしいお顔つきをしていらっしゃる!」となった。まあ前回は年齢をわかっていないで観てたからその差はありそうだけど、先週出演してた星今宵のお写真を見た時も顔つきがいつもの麻帆さんと違うなって感じてたし(現場には行けなかったけど泣)、それを今回ちゃんと肌で感じられたな、となり嬉しかった。

ピノコのことを妹じゃない、って言うシーン、やっぱめちゃくちゃ辛いからうぅ、ってなりながら見ていたら、お姉ちゃんぽろぽろって涙が零れていってるのが見えて、ねえ!泣いてる!お姉ちゃん泣いてるじゃん!ねえそれなんの涙なの!!ねえ!!!!!😭😭😭😭😭ってなった。
なんの涙だったんだろう。慈さんはなにを感じてたんだろう。わからないよ。どうして拒否してしまったんだろう、本当に本当に妹じゃないって思ったのかな。わからないな……原作に答え、あるのかな……。

やっぱ麻帆さんの泣き方すっごい綺麗だ……おめめに水がうるうるに溜まってきらきらしてくのがわかるし、こぼれる瞬間まで洗練されているし。
今回はここの妹を拒否するところでぽたぽたって落ちていく涙が印象的だった。
でも三輪さんとお話した後にごしごしって涙拭くところもめっちゃ好き。なんか年相応の幼さを感じる仕草でとてもかわいい。

拒否されたピノコちゃんが暴れまわるじゃないですか、で躱して逃げて、身を引いた時の表情。あれは一体恐怖なのか、拒絶なのか、悲観なのか、一体。痛ましい顔だった、悲しそうな顔だった、恐れるような顔だった。どれなのか?それとも全てなのか?

医者たちの視線から逃れるようにブラックジャックの後ろに体を隠していた彼女が、自分に対して悲憤する姿に何も思わないわけがないじゃないですか。そこまで怒り暴れまわれるほどの感情が、自分を妹とみなしてほしい願望の裏返しとして存在していたわけで、ピノコちゃんが子どもだからこそそのまっすぐで正直な反応が、慈さんにとっての妹であるなによりの証だと捉えることができると思うんですよね。
でもやっぱり攻撃的な態度に対する防衛の姿勢が一番表に出てきちゃうんだろうな……。それはより強い拒絶に繋がって、駆け足で病室を出て行ってしまった。

人面瘡でピノコちゃんは「おねーたんに愛されなかった」って言ってた。でも本当にそうなのかな。私にはそうは見えなかった。それは物語を外側から見ているから思えるだけで、ピノコちゃんの視点からはそう捉えるしかなかったんだよな。一回目観た時の感想と同じところに行き着くんだなやっぱり。

ピノコちゃんはブラックジャックと生きて、多分愛情だとか幸せだとかを知っていくのだろうし、その道は未来の世界線を見ても明るいものだったんだってわかる。
でもさ、慈お姉ちゃんはどうなるんだろう、ちゃんと幸せになるのかな、なれるのかな。なってほしいよ……。

感想をこういう独り言お気持ち表明文みたいな書き方でしか言い表せないからご本人に直接言えないんだよな~……悔しい。

麻帆さんの次の舞台も楽しみでごんす

3/26追記

YouTubeにて期間限定でアニメが公開されていたので視聴しました。いつ公開終了になるかはわかりません。

そしたらピノコのお姉ちゃんが舞台より全然冷たくて、嚢腫を切り離すことを全く嫌と思っていなくて、「早く捨ててください」なんて言うんですよ。そんなのを聞いてしまって私は、私は……!!!

私は推しに感情移入しがちというか、推しの演じている役の立場に味方するタイプらしい、というのを朗読劇エルドラドを通して自覚しました。もしこれでアニメのキャラクターに寄せた設定付けをされていたらもう感情ぐちゃぐちゃになってたのでしょう……。なんでそんなこと言うの!!!ってなっていたかと。
……かもしれないけど、推しの役に味方するということは、「推しを苦しませていた挙句のうのうと生き延びるなんて……!」といった思考になった可能性もあります。もはや自分が恐ろしい。
舞台上の慈さんがああして葛藤してくれたから、最後ピノコを突き放したことに私は戸惑ったのですし。

上記千秋楽の感想では慈お姉ちゃんの言動について原作にはより詳細な記述、答えがあるのかな?と書きましたが、多分ないんだろうな。ないというか、いろいろとプロセスが違っているので、それは「原作の答え」であって「舞台版の西伏見慈さんの答え」ではない。

わからないので、叶うのなら麻帆さんがどういった心情であのシーンを演じたのか、どうやってあのシーンに気持ちの折り合いをつけたのか聞きたいな・知りたいなと思う。

コメントを読んだ感じだとアニメ版と原作(漫画版)でもどうやら細部が違いそうだったし、OVAに別の(ピノコと姉が描かれた?)エピソードがあるっぽかったし、姉が記憶喪失になって姉妹然と楽しそうに過ごしている世界線もなんだかあるっぽくて、オタクの脳みそはぐるぐるです。


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