空白

二日目の夜、君と泣きました。
君は、「あなたは何も悪くないよ」って、言ったんだ。
僕が僕と君と未来にかけていた保険は、どうやら君を悲しくさせていたらしい。
もう一つ、帰り道に、泣きました。
そこには僕一人、どうしても涙が溢れてしまうんだ。
僕は、この気持ちを知っている。
けど、たまに母親に会えた日の夜も、妹が家を出ていった日も、転校したときも、誰かが死んだ日も、この気持ちで涙が出たことはない。
君との時間だけに流れる涙、これが、さみしい。

死にたくないとは思わないけど、君となら、この世界で生きるのも、悪くないかもなって思えるんだ。

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