ほんとうの空白

数年後を考えていた日々から数年経って、ほとんど何も変わっていないことに気づく。
唯一、数年前よりも考えることがかなり増えた。例えば社会のこととか、例えば空の色のこととか、例えば君の爪の長さと僕の瞼の重さとか。
生きるとか死ぬとか死にたくないとか、弾道ミサイルも核兵器も戦争も言葉もなびく髪の毛も起きたくない朝も眠りたくない夜も、君の前では無力なんだ。

君の死はきっと、好奇心でさ。

なんだか、なんにも呆気なくて、去年死んだ、北海道の女子中学生のことを考えて、泣きそうになった。

14歳だった。

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