公園

行ってしまった君を見送って、夏だ。笑顔で玄関で手を振った、朝、寝ぼけ眼、支度をする君を見ていた。

深夜、君からの電話、本当は気づいていたけれど、出たくなかった。イカロスまで迎えに来る君を、待っていた。迎えにこないはずだった君は、誰よりも早く心臓をうごかして、来たんだ。手に取ったそのぬくもり、離したくないその声、細い目、瞬き。ずっとあるわけがないものを、いつか失うことを考えて、僕は今日も、君に会いたい。

しずかな6畳一間、これが、さみしい。

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